米国でアルメニア人虐殺関連議案、承認される -米国・トルコの100年間の友好に亀裂か
2007年10月11日付 Hurriyet 紙

アメリカの下院外交委員会で議論されていたアルメニア人虐殺関連議案が、反対票21に対し賛成票27で承認された。

アメリカ下院外交委員会で、1915年の出来事に関するアルメニア側の主張を含んだ議案が承認された。

外交委員会での票決では、民主党カリフォルニア州選出議員のトム・ラントス委員会長が周囲の予想を裏切り賛成票を投じたのが注目された。議案が承認されると、傍聴席のアルメニア人団体から拍手が起きた。

今回の承認により、本決議案はまもなく下院本会議にかけられると予想される。

一方で、同議案に対するトルコの意向を説明するためワシントン滞在中のトルコ大国民議会代表団団長である、イスタンブル選出のエゲメン・バウシュ公正発展党副党首は、「今後トルコとしては、決議案が本会議にかけられることがないよう、また万が一かけられた場合も通過することがないよう働きかけていく。そういった努力にもかかわらず間違いが起これば、もはやそれはトルコというよりアメリカの問題。誤った決議を修正するのはアメリカ人の役目だ」と話した。

また次のように言葉を続けた。「トルコの最優先課題としてクルド労働者党PKK問題の解決が浮かび上がりつつある。この件で、アメリカは何らかの対応を進め、テロとの戦いにおける具体的な対策をとるべきだ。」

今後の動向を注視するバウシュ氏は、トルコ大国民議会代表団としてトルコ帰国後、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相および大臣らに詳細を報告する。

ある記者による「越境作戦の可能性は広がったのか」という問いに対し、バウシュ氏は「ここで私見を述べるべきものではない。それに対する決定はアンカラで下される。」

決議案が下院本会議にいつ提出されるかといった質問に対しては、以下のように答えた。「まだわからないが、今回の反応をみて検討しようとするだろう。(だが)まず自分たちの歴史を顧みるべきではないか。」

■ ギュル大統領:「重大な問題が内政の犠牲になった」

アブドゥッラー・ギュル大統領は、議案が承認されたことに対し以下のように話した。

「残念ながらアメリカ合衆国では、一部の政治家が常識的呼びかけに耳を貸さず、またしても大きな問題を小さな国内問題の道具にし、犠牲にしようと企てた。アメリカのような大国の代表者にふさわしい態度ではなく、国益に適うものではない。外交委員会の容認しがたい今回の決定は、過去の類似例同様、トルコ国民にとっては何の効力も敬うべきものももたない。」

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:12124 )