サーネイー師、革命の歴史の歪曲を警告
2007年10月16日付 E'temad-e Melli 紙

 大アーヤトッラー・サーネイーは、「神は政治に関わる事柄で、誰かを人民の上に後見人として置いたりはしていないということ、そして神は人民を自らの運命を支配すべき存在として位置づけたということを、皆にきちんと理解させるべく、努力しなければならない」と語った。

 同師は《イスラーム革命聖戦士機構》〔※訳注1〕の中央評議会のメンバーらとの会見で、「権威ある者」〔※訳注2〕への服従とは何を意味するのか、そして「権威ある者」とは誰を指しているのかについて、次のように論じた。「かつて第二期国会で、『権威ある者』には〔預言者以外に〕ウラマー、あるいはウンマのイマーム〔※訳注3〕も含まれるのか、との議論が提起されたことがある。これに対して、イマーム〔・ホメイニー〕はすぐさま声明を発表し、『このことについて記述のある〔クルアーンの〕節や〔預言者やイマームの〕伝承は、このことばで無謬なる者たち〔=12人のイマーム〕だけを指しており、そこには偉大なイスラーム法学者などは含まれていない。ましてや小生など含まれるわけがない』と述べられた」。

 大アーヤトッラー・サーネイーは続けて、次期国会選挙について言及し、立候補資格が認められるかどうか、また選挙に際して〔公正な〕監督が行われるかどうかをめぐって、さまざまな政党・政治集団の間で懸念が広がっていると指摘した上で、次のように述べた。「選挙が自由に、またウンマのイマームの思想原則に則って行われるよう、可能な限り努力する義務がわれわれにはある。もし、現にそうしているように、ウンマのイマーム〔のお考え〕を〔自らの行動の〕基礎・基軸として受け入れるならば、選挙はイマーム〔・ホメイニー〕がご存命中に行われていたのと同じようなやり方で行わねばならない」。

〔中略〕

 大アーヤトッラー・サーネイーは、イマームたちが生きた時代から14世紀も過ぎた現代〔※訳注4〕に、イマーム〔・ホメイニー〕がイスラームを復興させることにおいて果たした決定的な役割に触れた上で、次のように語る。「イマーム〔・ホメイニー〕とその輝かしい思想のおかげで、今日多くの人々、特に若者たちは、イスラームの擁護者となっている。もちろん、この場合の《イスラーム》とは、正統なイスラームであって、一部の者どもが自らのポストや地位のために語るような種類のイスラームではない」。

 同師は発言の別の箇所で、革命の歴史が歪曲されることの危険性を警告して、次のように述べている。「歴史はつねに歪曲の危険に晒されている。改竄を免れているのはクルアーンだけである。しかしそれ以外は、特に歴史は歪曲に晒されており、革命の歴史も例外ではない。歪曲の危険性は革命の歴史そのものを脅かしている」。

 〔後略〕



訳注1:1979年の革命初期から活躍する、改革派系の政治集団

訳注2:「これ汝ら、信徒のもの、アッラーのお言いつけをよく守り、またこの使徒と、それから汝らの中で特に権威ある地位にある人々の言いつけをよく守るのだぞ」というクルアーンの第4章59節の文言を指す。この章句にある「権威ある者」とはどのような人物を指すのか、特に近代以降議論の的となってきた。この節はしばしば、「民主主義はイスラームと対立する」、「ウラマーこそがイスラーム社会の指導者である」と主張する際に、根拠としても用いられている

訳注3:ここの「ウンマ(イスラーム共同体)のイマーム(指導者)」は、文脈上、(イマーム・)ホメイニーのことを指すものと思われる。

訳注4:最後の12人目のイマームがお隠れになったのは、9世紀の後半(イスラーム太陰暦で3世紀半ば。現在はイスラーム太陰暦15世紀前半にあたる)であることから、「14世紀」という数字は計算に合わない。恐らく「イマームたちが生きた時代」ではなく「預言者ムハンマドが生きた時代」の誤りであるように思われる。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12192 )