モスク礼拝中、携帯電話は不通に
2007年10月19日付 Zaman 紙

モスクでは礼拝の間、携帯電話は不通になることになる。宗務庁は、モスクの静寂を台無しにする携帯電話の音をなくすため、モスクに、電話のダイヤル周波数電波を妨害する装置を設置することを決定した。

この問題に関する通達を出していた宗務庁は、携帯電話の呼び出し音に対する苦情に対処するため、モスクでGSM抑止装置が用いられることを検討してきた。しかし昨年テレコミュニケーション協会は、ムフティーらに送った警告書で、周波数電波抑止装置は違法であることを強調しながら、装置設置を思いとどまるよう要望していた。しかし宗務庁が出した新たな通達で、周波数電波抑止装置は法的な問題となってしまった。

携帯電話が普及したのち、礼拝中に様々なメロディーが鳴るようになり礼拝の邪魔となったため、モスク側は周波数電波抑止装置でそれに対処しようとした。しかしながらテレコミュニケーション協会は、抑止装置は「通信の自由」を制限するものだとしながら、装置設置を止めるように要請してきた。憲法22条に記されている「通信の自由」を制限することになると喚起する協会は、「通信の自由は皆が有する権利です。通信の秘密は大原則である。国家の安全、公的秩序、犯罪予防、公序良俗の維持、あるいは他者の権利と自由を守るという理由に基づき、一人または複数の人々に対しきちんとした形で与えられた法的決定がない限り、またこうした理由に基づき緊急性を要する場合でも、法的権限を有する所轄官庁の命令書がない限り、通信を阻害したり、通信の秘密を侵すことはできない。」という一文を持ち出し、装置が違法であることを強調した。宗務庁は上述の通達で、モスク訪問がイスラムの慣習やモスクの安全に合う形でなされるようにし、イスラムのルールに合わず、礼拝における静寂さを破るような、モスクの中庭や付属施設におけるあらゆる種類の振る舞いや、物売り行為さらには物乞いといったモスクの雰囲気を壊す全ての活動を、そして目に余る光景、うるさい音、ごみなどによりモスクが汚されるのを防ぐために必要な方策をとるのが、ムフティーらの仕事であると述べた。この通達で、「今回の決定により、礼拝場所の静寂と落ち着きを守るため、携帯電話の呼び出し音に対する苦情対策として、モスクおよび礼拝所ではGSM抑止装置の設置がふさわしいと考えています。ムフティーらにより決定されることになるこれらモスクにGSM抑止装置が設置されることに関し、協会・ワクフとともに地域の協力を仰ぎながら、かかる費用は地域に負担してもらうことになる。」と伝えられた。

GSM抑止装置、通信信号を遮断

イスタンブルで最も多くの人が訪れるいくつかのモスクに、この装置が取り付けられた。このシステムはモスクに設置される装置をオンにすることで作動し、礼拝終了後オフとなる。最大20分作動することになる周波数電波抑止装置は、礼拝中に携帯電話を圏外にする。携帯電話が広まりすぎたため考案されたこの装置は、好きな場所で携帯電話の周波数電波を遮断することができる。携帯電話周波数電波遮断器は、ちょうど携帯電話のように無線信号をだしている。この信号が携帯電話の信号に送られ、携帯電話と電波ステーションとの間の接続が遮断される。エリア内の携帯電話の多くは「使用できません」とのメッセージで、電波基地ステーションに繋がらないことが分かるようになっている。10メートルから8キロメートルの範囲まで、周波数電波を遮断できる各種抑止装置がある。10メートル範囲に作用する抑止装置は610ドルで購入可能である。作用する範囲が広まるにつれ、価格は上がっていく。50メートル範囲で携帯電話の周波数電波を遮断する装置は950ドルになる。

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( 翻訳者:石丸由美 )
( 記事ID:12199 )