アニ遺跡か、アヌ遺跡か―無意味な「トルコ語化」論争のその後
2007年10月21日付 Radikal 紙

コチ前文化大臣が、アニ遺跡を「アヌ」と発音したことで始まった論争により、文化観光省に委員会が設立された。委員会が遺跡の名称を決定する予定だ。

当時、文化観光省大臣アティッラ・コチ氏がカルス県内にあるアニ遺跡の名前を、「トルコの人々の敏感な気持ちに配慮しなければならない」と述べて「アヌ」と発音したことに続いて論争が始まった。しかしこの論争にピリオドを打つこともまた同省の任務となった。文化観光省によって選ばれた5人の学者からなる委員会が来月招集され、遺跡の名前がアニなのか、それともアヌなのかを決定する予定だ。

■ 国会での論争

昨年12月、トルコ大国民議会総会で文化観光省の2007年度予算が話し合われた際に、アティッラ・コチ大臣(当時)は「アヌ遺跡からカシュまで、トルコのあらゆる場所に文化観光省の仕事がある」と述べたことに対し、共和人民党(CHP)の議員たちにとの間で次のような会話がなされたのだった。
アルガン・ハジャオール議員(CHP):大臣、アニ遺跡は、アニです。アヌではありません。
コチ大臣:いいえ、私はアヌと言ったのです。意識して言いました。
ハジャオール議員:アニです…アニ…
コチ大臣:「アニ」とは言っていません。「アヌ」と言ったのです。説明しましょう。アニは他のあるものを連想させるため、私は社会学的にアヌ遺跡と言うようにしています…
ハジャオール議員:我々にそのようなコンプレックスはありえません。
コチ大臣:ちょっと待ってください、あなたにはコンプレックスはありえなくても、この問題について私の国の人々は敏感なのです。私はその敏感な心情に配慮しなければならないのです。敏感な心情というのは次のようなことです。
トルコ人はサンガルヨスをサカリヤとし、イコニユムをコンヤとし、スミルナをイズミルとし、サガラッソスもアーラスンとしました。トルコ共和国の文化大臣はアニを「アヌ」とするというのです。そうさせてください。
ムスタファ・オズユレキ議員(CHP):すべての大臣が地名を変えたら、私たちの仕事が大変です。
コチ大臣:なぜあなたたちはブルドゥル県にある郡を、サガラッソスといわずアーラスンというのですか?どうです、お答えになれないでしょう。

■委員会設立
 
文化観光省は、これまでの間に議論が終息しなかったことを受けて、委員会の設立を決定した。来月初旬にアンカラもしくはカルスで召集予定の学者が構成する委員会が、歴史的都市の名称を決定する予定だ。委員会に参加する学者は次の人たちである。
アタテュルク大学文理学部歴史学科エンヴェル・コヌクチュ教授。イスタンブル大学文学部歴史学科先史学コース、オクタイ・ベッリ教授。アンカラ大学言語・歴史学・地理学部、東洋言語・文学科のアラビア語・文学コース、M.ファルク・トプラク教授。アンカラ大学言語・歴史学・地理学部、東洋言語・文学科ペルシア語・文学コース、ヒジャビ・クルラングチ教授。アタテュルク大学キャーズム・カラベキル教育学部、トルコ語教育学科ジェンギズ・アルユルマズ准教授。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:12219 )