イランのアフマディネジャード大統領は、アルメニアでの話合いを予想外の短時間で切り上げ「虐殺記念碑」を視察せずにそそくさと帰国した。
アルメニア大統領メディア担当顧問のヴィクトル・ソグマニアンは、「二国の代表が合意した結果、訪問が予定より早く終わった」と述べた。同氏は、アフマディネジャード大統領が訪問を短時間で切り上げた理由について、「テヘランで、大統領本人が緊急に対応しなければならないような不測の事態が起こった」と述べている。当初のプログラムでは、イラン大統領が、昨日の午前中にアルメニア側の高級官僚と会談後、「虐殺記念碑」とエレバンにあるモスクを視察し、アルメニア議会で演説をしなければならなかった。
アフマディネジャード大統領は、昨日の午前中のプログラムはこなし、ティグラン・トロスヤン国会議長、ヴァルダン・オスカンヤン外務大臣、アルメン・モヴシスヤンエネルギー大臣と朝食を共にし、エレバンを後にした。イラン大統領は、「訪問を短時間で切り上げたわけではない。むしろ22時間の予定が1時間半延びたのだ。」と述べた。
訪問が短時間で切り上げられたことをめぐって議論が起こり、様々な解説がなされた。アルメニア人外交官たちは、宗教指導者アリ・ハメネイ師の体調不良のため、大統領がそそくさと帰国しなければならなかったと述べた。イラン大統領と昨日の朝会談したトロスヤン国会議長は、「このような事態では、大統領は自国に戻るべきである。」と述べたが、明確な説明は避けた。Arminfo通信は、イランの核問題に関する展開が理由となって訪問が中断されたと報じている。AP通信は、アフマディネジャード大統領が、トルコの反感を買わないために、「虐殺記念碑」を直前にプログラムから外したが、これが外交上問題にならないように国内の問題を理由にしたと述べている。トロスヤン国会議長は、アフマディネジャード大統領が「虐殺記念碑」を視察しないように、プログラムを早めに切り上げたという見解を否定し、「同様に、アフマディネジャード大統領をイスラム教に敬意を払わなかったことでも批判できますよ。モスクの訪問も取りやめたのですから。」と述べた。
アフマディネジャード大統領が「虐殺記念碑」を視察する予定であるとアルメニア政府は公表していたが、この件に関してイラン政府からの発表はなかった。大統領は、ここ数年でアルメニアを訪問して「虐殺記念碑」を視察しなかった初の外国人首脳となった。

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（ 翻訳者:田辺朋子 ）
（ 記事ID:12240 )