Cuneyt Ulsever コラム:クルド労働者党(PKK)の背後にいるもの
2007年10月23日付 Hurriyet 紙

専門家たちは、PKKのこの前の野蛮な攻撃が大規模な計画を練り、技術的装備と後方支援(の水準)が高く、非常にしっかりとした教育を受けているテロリストたちによって行われたと言っている。
彼らを誰かが支援し、食べ物を与え、育成しているのは明らかだ。
テロ組織に関連して、世界で例外なく当てはまる1つの法則がある。テロ組織が基地を長期間維持できているなら、必ずやその背後には1つ、さらには複数の国の存在がある、ということだ。
誰かがPKKを通じて我々をイラクに引っ張り出したがっている。
PKKの背後にいるのは誰なのか?

* * *

トルコでまず初めに思い浮かぶ国はアメリカだ。
2番目に怪しいのが北イラクのクルド人政府。
アメリカがあれやこれやの理由によりPKKの北イラクにある基地(の存在に)目をつむっているのは事実だ。
北イラクのクルド人政府も、トルコに自分たちとの交渉の席に着かせるために「PKKという武器」を使い、トルコに「我々と直接関係を築き、我々に脅威を与えるのをやめるなら、我々の側もPKKのテロをどのように止めるかご覧あれ!」という意味のメッセージを送ったのもまた事実だ。
しかし!
トルコ軍が北イラクに侵攻し、地域をところどころ吹き飛ばし、ペシュメルガ(クルド人民兵組織)とにらみ合いをし、他方でアメリカ軍と敵対状態となることは、アメリカあるいは北イラク政府の仕事ということになろうか?
アメリカは、中東における唯一の強固で強力な同盟国と、PKKを扇動しながら敵対することができるだろうか?
アメリカが地域から撤退した後、イラクのシーア派、スンナ派、さらにアルカイダのようなテロ組織からさえも共通の標的とされるであろうことを知っているクルド人政府は、味方にはつけられないにせよ、トルコを完全に失いたいと思うだろうか?
私の考えではアメリカも、北イラク地域政府もこれほど愚かであるはずはない!

* * *

話を反対側から取り上げよう。
トルコが誰とも同盟せずに北イラクに長期間侵攻すれば、我々の誰もが知っているように i)アメリカは地域における強固で強力な唯一の同盟国を失い、イスラエルを除いて地域で孤立する、ii)トルコは中東で、発言力のある有力国ではなく、望まれず孤立した国となる。例えば、12月の初めにイスタンブルで開かれる予定の「イラク隣接国会議」は完全に無意味なものとなる。
こうしたことを(1つ、あるい複数の)誰が望むのか?

* * *

1)(中東)地域におけるアメリカの広がりに欠く政策から最も利益を得たのはイランであることは誰でも知っている。私がとくに大きな関心を払って見ているイランは、中東の地域帝国となるために非常に巧みな政策をとっている。その目的は、アメリカが最後の最後になって中東の泥沼から抜け出すために危険と困難に直面することである。イランは、シリアを直接に、レバノンの指導者の一部をシリア経由で、またヒズブッラーとイラクの一部民兵組織、さらにスンナ派のハマスを地域で指揮している。

2)ロシアと中国はといえば、世界で急速に力をつけ、新たに(再度)輝いている、そしてアメリカのポジションに目をつけている、世界帝国の候補国である。いま1つ力をつけている巨大国インドがどちらの側につくかはまだ明らかではない。

しかし、中国+ロシア+インドの経済は、2025~30年ごろにはアメリカ+EUの経済を追い抜くことが可能であることが知られている。我々が慣れ親しんだ西洋中心の世界は、東洋中心の世界に変わりうる。そもそもアメリカが、中東でのエネルギー資源に目をつける一方で、北方におけるエネルギー資源とロシア・中国の双方とをアフガニスタンを通して押さえようとしているのは、(中国+ロシア+インド>アメリカ+EUという)この計算をひっくり返そうと努めているのに他ならない。

* * *

個人的には、PKKの等式をこの視点からも見ることが必要だと考えている。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:12248 )