越境軍事行動の停止を求め、急遽アンカラに派遣されたイラク代表団の提案は、トルコ側には好意的に受けとめられなかった。実施に時間を要する彼らの提案に対し、アンカラ政府は早急の対策を求めた。

イラク代表団と行われた会談は合意に至らなかった。越境軍事行動に反対するイラク代表団が、時間をかけた対策を提示したのに対し、アンカラ政府が「受け入れられない」という態度を示したため、共同記者会見は行われなかった。イラク代表団は、トルコ・イラク双方による国境地帯の国境警備隊の増強や、トルコとアメリカ、イラクの国の間での三か国メカニズムの再構築を提案した。トルコ・イラク間での軍事的な話し合いの実施が話題にのぼった一方で、行方不明軍人問題に関し、「彼らがイラク領内におり、我々が発見したなら、すぐにトルコに送還する用意がある」といったイラク側の（消極的）対応は、会議が物別れに終わる原因となった。

■ 我々は(代表団の提案を)好意的に受けとめることができなかった
トルコ側はイラク代表団に、越境軍事行動に対する支持、トルコへの情報提供、テロ組織がかくまわれているとされる地域から排除されること、軍事行動遂行のための軍需品供給支援の確約などを求めた。トルコとイラク代表団による話し合いは、今日の午後(10月27日)ヒルトンホテルでの会食という形で実現した。イラク側は「三カ国メカニズムに始動してもらいたい」としながら、トルコの行おうとしている軍事行動へは否定的であることを強調した。これに対しトルコ側は、テロ組織に対して行う軍事作戦にとって最も重要なものは時間であること、（イラク側の）引き延ばしにこれ以上付き合うつもりはないこと、イラク政府によるもっと具体的で明確な提案を期待していたこと、そして今回の代表団の提案について、そちらの期待には全く応えられないと述べた。

会合において、相手の提案はトルコ側により短期間で実施される対策でなかったため、好意的には受けとめられなかった。外務省は会見で、「イラク代表団は、今日我々に、実施にさらに時間を要する提案をもってきました。しかし時間の要素はこの問題において大変重要なものです。トルコは、クルド労働者党（PKK)というテロ組織との闘いにおいて、イラク側の早急の、そして確固とした前進を期待しています。」と語った。

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（ 翻訳者:杉田直子 ）
（ 記事ID:12267 )