ヒズブッラーとイスラエル、捕虜の身柄および遺体の交換
2007年10月17日付 Al-Nahar 紙
■ ナスルッラー、捕虜交換に関して「前向きな進展」が見られると強調 オルメルト首相は兵士を取り戻すまでには「長い道のり」があるとの見方を示す
2007年10月17日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、国連の立会いの下で行われたイスラエル国民1人の遺体と、レバノン人捕虜1人の身柄とヒズブッラーのレジスタンス戦士2人の遺体との限定的な捕虜交換について、両者のさらなる捕虜交換へ向けた「前向きな進展」と評した。しかしイスラエルのエフード・オルメルト首相は、この件に関してイスラエルとヒズブッラーとの間で近いうちに交渉が成立する可能性は低いとの見方を示した。
ナスルッラー書記長は、「2005年1月に溺死したエチオピア系イスラエル国民ガブリエル・ドゥワイトの遺体の返還と引き換えにレバノン人捕虜ハサン・ナイーム・アキールの身柄と、ヒズブッラーの戦士ムハンマド・ユースフ・ウサイリーとサーミル・ナジュムの遺体を奪還したことは、限定的ではあるものの、大規模な捕虜交換に向けての一つの成果である」と述べ、今回の出来事はより大規模な捕虜交換への大きな契機となり得るとの見方を示した。また、「大規模な捕虜交換についての交渉は鋭意継続中であり、前向きな進展がなされており、実現は大いに期待できる」と強調した。
これに対してオルメルト首相は、2006年7月にヒズブッラーが捕虜にしたイスラエル軍兵士エルダド・レゲヴとエフード・ゴールドバスラーを早急に取り戻せる可能性は低いとの見方を示した。オルメルト首相は、彼らとガザ地区で捕虜となった兵士ギラード・シャリットを取り戻すため、「世界中で」連絡を継続してゆくことを約束し、「我々は昨日一定の段階に達したが、北のエフードとエルダド、南のギラードを取り戻すための道のりは残念ながら、まだ長い」と述べた。
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( 翻訳者:青山沙枝 )
( 記事ID:12285 )