モフタシャミープール:ヤズディー師は《共和》なき《イスラーム》の支持者
2007年10月29日付 E'temad-e Melli 紙

【ISNAイラン学生通信】《闘う聖職者集団》中央委員会メンバー、セイイェド・アリー・アクバル・モフタシャミープールは次のように語った。「故イマーム・ホメイニーが強調したのはイスラーム共和制である。なぜなら、イスラームは人々と彼らの考えに個性と力を与えるからである」。

 マシュハド自由大学法学部のサロンにおいて開催されたイラン大学生イスラーム機構(SADA)の書記集会の開会式において、モフタシャミープールは、「共和制、イスラーム、宗教的国民主権と民主主義は、分析や議論の余地のあるイスラーム共和国体制のキーワードである。実定法は、民主主義や共和主義の体制において、人民による支配の主軸を成すものである」と述べ、「共和制(jomhuriyat)とイスラーム(eslamiyat)の組み合わせについては、見解の相違が存在する」とのイマーム・ホメイニーの言葉を引用しつつ、「そうした相違というのは、様々な立場や見解を持つ人たちがいるためにおこるのであって、その多くは互いに全く異なっていることもあり得る」と語った。
 
 彼は、「イスラーム共和国」体制の《共和国》(の概念)に関する5つの異なる見解を、次のように説明した。「第一の見解は、《イスラーム》と《共和国》の間の修飾=被修飾関係を認める立場である。それはつまり、始めから終りまでを決定する国民の総意こそがこの体制における基礎だということである。この見解においては、イスラーム共和制への移行を決定した1979年4月1日の国民投票ならびにイスラーム共和国憲法が、国民の見解に基づくものである。従って、この体制の基盤は《共和制》の方である。イラン国民の殆どがムスリムであるため、共和制はイスラームという形容詞で修飾されるのである。この見解においては、体制の《共和》性にこそプライオリティがある」。

 モフタシャミープールが第二の見解と呼ぶのは、「イスラーム共和制」における(意味上の)包摂関係である。「それは、こういう意味である。《共和》がイスラーム主義を包含し、共和制がイスラーム体制の形であり外装であり、共和制という器の中では、イスラームが正統的なものである。当然、この第二の見解では、イスラーム制にとって、内容物をあらゆる面で保護することのできる最良の器が共和制である。この見解に立つならば、イスラーム主義を信じる人間は、器である共和制の不可侵性を守らなければならない」。

 「第三、第四の見解は、《共和制》と《イスラーム》の絶対的な対立を認める立場である。一部の人々は、イスラームなき共和制の立場に立つが、国内でこうした考えを持つ者は引け目を感じており、共和制について説明し始めるや否や、イスラームを忘れ去ってしまう。また国外では、イスラームが1400年も前の時代に属するものであり、現代社会に何も寄与するところを持たないと考える」。

 さらにモフタシャミープールは、「これ以外に、共和制なきイスラーム制を主張する人々もいる」として、次のように述べた。「彼らの多くは国内におり、イスラーム主義こそが幹で、共和制は枝葉だと考えている。例えば、メスバーフ=ヤズディー師はそのような考えを持っており、もしイマーム・ホメイニーが「イスラーム共和国」を口にしたとしても、それは時代が要求したものであり、基本はカリフ位(注:ここでは国民に代わって聖職者などが統治をすることを指していると思われる)とイスラームによる統治であるとしている。ヤズディー師はこうしたことを口にしても、全く問題を感じないのである」。

 「第三の見解を支持する人々は、イランにおける一種無宗教的とも呼べる体制を追求し、つまり、宗教やイスラームを除いた体制を受け入れる。第四の見解の支持者たちもまた、イランにおけるカリフ制の追求者たちであり、共和制や国民はいかなる役割も持たず、イスラーム的カリフ制という原理を思い描いている」。

 モフタシャミープールが第五の見解と呼ぶのは、「イスラーム共和制」の《組み合わせ》説である。「この見解では、両者は社会体制の形成において等価であり、一方が他方に対する優位性や重点を持つことはない。救いの道は、純粋な共和制にあるのでも、純粋なイスラーム体制にあるのでもない。というのは、イスラームは1400年間にわたってこの国に存在してきたのであるが、イスラームをそのように(古いものと)解釈したところで、人々を内外の植民地主義のくびきから救い出すことはできなかった」。

 「一部の国々では、イスラーム的なものが存在しない、従ってイスラームを支持する母体も存在しないという理由で、イスラームの信仰のない人々の見解を尊重している。人々と彼らの意見に個性と力を与えるイスラームこそ、力の支えとなるものである」。

(後略)

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( 翻訳者:徳原靖浩 )
( 記事ID:12298 )