Sami Kohen コラム:イラク隣接諸国会議と北イラク問題
2007年11月01日付 Milliyet 紙

もしトルコで全ての注目がクルド労働者党(PKK)の最新の攻撃と北イラクに行われるかもしれない軍事作戦に注がれていなかったなら、今日からイスタンブルで準備が始まる「拡大」イラク会議は全く別の関心を集めるはずだった...
この会議は、トルコが以前から大変重視し、積極的に参加することによりリーダーシップを発揮してきた会議の第2幕である。
どれだけ公式の名称が「イラク隣接諸国会議」であっても、この会議は地域外の主要国や機関のリーダーを一同に集めている。国連事務総長から(国連)安全保障理事会の5つの常任理事国、G8諸国からアラブ連盟やイスラム会議機構に至るまで...
もともとトルコは今年初頭、この幅広い参加を集める会議の初回をイスタンブルで開こうと奔走していた。しかし、特にイラク政府の反発のため、最終的に(5月に)会議はエジプトのシャルムエルシェイク・リゾートで行われた。そこで第2回の会合をイスタンブルで行うことが決定された。

■最後のチャンス...

疑いなく、イラクと中東の将来という観点から大きな重要性を持つこの会議にイスタンブルがホスト役を務めることは、トルコの地域的な役割と積極性を示すのによい機会である。より正しく言えば、「PKK-北イラク危機」が勃発するまで、トルコはこの幅広い国際的コミュニティの中で、主要なアクターの1つとして目立っていた。
しかし、正直に言って、PKKの攻撃後、トルコの優位な立場は変化した。目下全トルコは、北イラクに対する軍事作戦に備えた状態にあり、外交に与えられた「最後のチャンス」がもたらす結果を興奮気味に待っている。この最後のチャンスの結末も、かくして今週イスタンブルで、会議のためにやって来るアメリカのライス国務長官や他の何人かの大臣と行われる会談、そして来週月曜日にワシントンで行われる予定のエルドアン-ブッシュ会談により明らかとなるだろう...
この状況を別の観点から見れば、(コラムニストの)ジュネイト・ウルセヴェルが昨日ヒュッリイェト紙のコラムの衝撃的なタイトルで明らかにしたように、「イラク会議は行き倒れつつある」。この会議においてトルコは、「積極的な役割を担い解決策を提示する、このために様々な立場を1つにまとめることに努める優位な国のポジションに着くはずだった」... 今、ウルセヴェル曰く「イラクへ軍事作戦を行わないために説得されている国」の状態に陥っている...

■忘れ去られた決議

イスタンブルでの会議は、シャルムエルシェイクでの会議の続きとして普段の進行を続けばよいが、トルコの関心はアメリカやイラク、また別の国々が北イラクにおけるPKKの拠点を終結させるために何をするかに集まるはずだ。
この観点から、イスタンブルがこの会議のホスト役を務めることは、トルコ政府に彼らの感情と思考をより影響力のある形で伝える機会を与える。
この文脈で、トルコの外交が会議に参加するリーダーたちに対し去る5月、シャルムエルシェイクで読み上げた声明の第6条を改めて思い起こしてみるのは有益である。イラクにおけるテロ問題に関連したこの条項の次の一節は、事実上トルコの直面している状況のために書かれている:「会議の参加者が、イラク臨時政府を国際法と安全保障理事会の決議に従って、イラクにおけるテロリストの拠点と隣接国の安全保障を脅かすイラク内部、またイラクから向けられるテロリストの活動に毅然と対処することを呼び掛ける」...
この呼び掛け ―とそののちにトルコ政府が取った行動が― どのような結果を招いたかは明白だ... 今到達している危機的な状況において、イスタンブルで集まることになっている「国際社会」のリーダーたちが何に対し決定を下すのか見てみようではないか?...

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:12326 )