タヴァッコリー議員「政府の経済政策には羅針盤となるものがない」
2007年10月29日付 Jam-e Jam 紙
【経済部】アフマド・タヴァッコリー議員は、第9期政権〔現アフマディーネジャード政権〕の総体的なアプローチは公正さの概念を中心としており、憲法第44条〔※〕には一国における公正さのあり方に関するもっとも重要な文言が記述されているとの見方を示した。
〔※訳注:憲法第44条は、国の経済体制を国有、協同組合、民間の三部門に分け、大規模鉱業や国民の生活に直結する産業部門を国有とすることを定めた条文〕
タヴァッコリー議員は同時に、一部混乱も見られると指摘した上で、「政府の経済政策には羅針盤となるものがない」と述べた。
テヘラン選出のアフマド・タヴァッコリー議員は、メフル通信とのインタビューの中でさらに、次のように語っている。「私の意見では、現在インフレ対策こそが、政府が第一に行うべき経済政策である。今のところ、インフレ対策には手元にあるインフレ理論を用いて、その諸要因に対処するしかない。つまり、通貨供給量を抑え、石油収入で得たドルを国内経済での売買に使用することに歯止めをかけること、である。また、開発予算の支出の構造・方法にメスを入れ、通貨量を膨張させるような政策を改めることも必要だ」。
国会調査センターの所長を務めるタヴァッコリー議員はまた、第9期政権の経済政策の実績について、次のように評価する。「現政権のアプローチにはよい点もある。しかし誤った決定を下したこともある。中でも、石油収入を急激に支出に用いたことで、イランはオランダ病〔※〕にかかってしまったことが挙げられる。そのため、
輸入が急増し、インフレという怪物を目覚めさせてしまうという、望ましくない結果がもたらされた。また、関税をヘタにいじったことも、現政権のあやまちの一つである」。
〔※訳注:「オランダ病」とは、「産出する天然資源の価格の高騰により莫大な不労所得を得た国が、財政支出を膨張させるなどして経済政策の運営を誤ったことによりもたらされる経済危機を表す言葉」。出典:
家庭問題情報誌 ふぁみりお 第30号〕
同氏はさらに、「残念ながら、第9期政権は経済の分野で真摯に努力を続けているものの、理論も計画もなく、政権内にはこれといった経済責任者もいない。それゆえ、現政権に対して高い点を与えることはできない」と続けた。
タヴァッコリー議員はまた、「憲法第44条政策法」〔※国有企業の民営化法案を指す〕の施行の最大の障碍として、経済における政府の役割に対して誤った想定が存在していること、一部の政府責任者が〔民営化の利点について〕信じていないことを指摘し、次のように述べた。「実際、一部の責任者たちには、民間部門が互いに競争し合う状況の中で、市場が管理・コントロールされるという状態を想像することができない。そのため、彼らはさまざまな言い訳を用いて、経済の自由化・民営化に反対する立場を取るのである」。
国会の原理主義派に属するタヴァッコリー議員は、第8期国会選挙に向けて原理主義派が唱えているスローガンについて、「スローガンにはあまり興味もなければ、信頼もしていない」と述べつつ、「もし『正義の拡大、〔国民への〕奉仕運動、生産活動と投資を妨げる障碍の除去、インフレの抑制』といったスローガンが真摯に表明され、合理的に計画され、強い意志によって実行されるならば、よい旗印となりうる」とも語った。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12328 )