トルコ歴史協会(TTK)の会長、ユスフ・ハラチオール氏は、クルド人とアレヴィー派についての発言から放免された。カイセリ主席検察局は、ハラチオール氏の発言において、裁判が開かれる必要のある罪状はないとの判断を下した。
TTK会長、ユスフ・ハラチオール氏は、8月18日にカイセリで開催された「トルコ人の歴史、文化におけるアヴシャル族」というテーマの国際シンポジウムで、「最新の研究によるオスマン朝文書におけるアヴシャル族」という発表を行い、次のような表現を使った:
■ 「クルド人として知られている人たちはチュルクメン系である」
「トルコにはクルド人問題があると言われています。クルド人に関しては多くのことが言及されています。我々の調査で次のようなことが分かりました、今日我々がクルド人と言っている人々は元来チュルクメン系なのです。(人種的な)つくりの上で言うのです。しかし、これと併せてもう一言付け加えましょう。これは、私が述べようとすることは、空想ではありません。今日クルド人として知られている人々、さらに付け加えるならば、クルド-アレヴィー派として知られる多くの人々も、残念ながらアレヴィー派改宗者, アルメニアの改宗者であり、そしてトルコ労働者・農民解放部隊(TIKKO)の内部にいる、クルド労働者党(PKK)の内部にいる人々の多くは、そうした人たちなのです。つまり我々が想定しているようにクルド人の運動ではなく、PKKもしくはTIKKOの運動なのです。私はこれらすべてを外国の資料と、実施した一連の調査に基づいて述べているのです。」
この発言に反対する数多くの人々と団体は、カイセリ共和国主席検察局にハラチオール氏を告訴した。調査を終えた主席検察局は、ハラチオール氏の発言に裁判が開かれる必要のある罪状は見当たらなかったと述べた。主席検察局は、ハラチオール氏はこの発言を科学的会議で、限られた人々を対象に科学的資料を紹介する形で行っており、扇動的ではないという見解である。
決定では、発言主旨全体を鑑みた際、人権条約と欧州人権裁判所の判例により審理の必要はないという方向で決定がなされたことが、伝えられた。
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( 翻訳者:林奈緒子 )
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