モッタキー外相がシリア訪問:アフマディーネジャード大統領親書をシリア大統領に手交
2007年10月30日付 Jam-e Jam 紙
写真:IRNA
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【政治部】マヌーチェフル・モッタキー外相は昨日シリアを訪問し、大統領親書をシリアのバッシャール・アサド大統領に手交した。

 一部情報筋によると、この親書の内容は、イラン・シリア両国間の協調と話し合いのあり方、ならびに地域、特にイラク、レバノン、及びパレスチナ情勢に関してであったという。これらの情報筋はまた、地域を取り巻く最近の情勢に鑑み、親書には重要な内容が含まれているとの見方を示している。

 マヌーチェフル・モッタキー外相は昨日ダマスカス入りし、最初シリアのワリード・ムアッリム外相と会談、地域の最重要事項、特にトルコ・イラク国境地域問題について協議した。

 モッタキー外相のシリア訪問に同行しているある関係者が、両外相会談後にイラン国営通信(IRNA)に語ったところによると、両者はイラク・トルコ国境地域の緊張、レバノンの政治危機、及びパレスチナ問題について話し合ったという。

 イラン外相はこの会談後直ちに、記者会見を開くことなく、「シャアブ」宮殿に向かい、シリアのバッシャール・アサド大統領と会談した。この会談の前、モッタキー外相は「地域情勢の急速な進展に鑑み、シリア当局との協議が急務である」と語っている。同外相はバッシャール・アサド大統領との会談後にも、次のように語っている。「この会談で、イラン・シリア両国は現下の地域問題を解決し、地域に平和を樹立するという目標で一致した見解を有していることが強調された」。

 モッタキー外相はシリアのワリード・アル=ムアッリム外相と臨んだ共同記者会見で、さらに「両国の誠実かつ戦略的な関係は、イラン・シリア両国が協議や意見交換をこれまで継続させてきたことの基礎となっている」とも付け加えた。

 モッタキー外相はアサド大統領との会談を「有意義であった」と評価した上で、次のように述べた。「地域情勢に関して報告がなされた。アサド大統領のトルコ訪問、テヘランで開かれたカスピ海沿岸諸国会議、イラク北部情勢をはじめとするイラクの全般的問題、イスタンブルで開かれる次回のイラク周辺国会議、レバノン及びパレスチナ情勢などが議論・意見交換された」。

 シリア外相もこの記者会見で、モッタキー外相とアサド大統領との会談を「建設的であった」とした上で、「今回の会談で、マフムード・アフマディーネジャード大統領の親書がアサド大統領に手交された」と述べた。

 ワリード・ムアッリム外相はさらに、「現在の地域情勢、特にイラク情勢、トルコとのイラク北部国境地域問題、レバノン及びパレスチナ情勢が検討された。会談で提起されたこれらの問題に対する両者の見解は、建設的であり、かつ同一のものであった」と付け加えた。

 イラン・トルコ・シリア三カ国のトライアングル

 イスラエルの戦闘機数機がシリア及びトルコ国境を飛来し、シオニスト体制関係者の主張によれば、シリア国内のある地点を標的としていたことが暴露されたことで、イスラエルとシリアの直接的な敵対関係とは別に、イスラエルがトルコとの軍事条約をあまり重視しておらず、必要ならば、かつて堅固さを誇った両国の協力関係を踏みにじることも厭わないと考えていることが明らかとなった。

 イスラーム主義政党である公正発展党が政権に就くなど、トルコ国内の情勢変化は、イスラエル・トルコ関係に大きな影響を与えている。世俗主義者たちが政権を握っていた時代の両国の幅広い協力関係は、今や過去のものとなっているのだ。

 このような中、イラク情勢や中東和平会議、そしてシオニスト体制の好戦的な政策といった地域情勢に対して、トルコ・シリア・イランの三カ国は互いに緊密で共有された立場を示しており、イランとシリアの戦略的関係にトルコという一角が加わって、テヘラン=アンカラ=ダマスカスのトライアングルができようとしている。以前シリアで行われた記者会見で、トルコ外相はトルコ・シリア両国の立場の近さを示したばかりだ。

 トルコのババジャン外相は記者会見の中で、イスラエルによるシリア国境への侵犯行為を批判し、「秋の会議」と呼ばれる中東和平会議の現実的有効性に対して疑念を表明している。

 最近の地域情勢は、三カ国の協力の必要性をこれまで以上に明確化している。アメリカがイランに対して脅迫行為を繰り返していること、イラン・イラク・トルコ国境地域を大きく不安定化させているクルド騒擾分子PKKに対してアメリカが支援していること、騒擾分子を鎮圧することを目的にトルコ軍がイラク北部を侵攻する可能性すら持ち上がっていること、アメリカの戦略的同盟国であるシオニスト体制がゴラン高原を占領し続けていること。これらの事実によって、三カ国は共通の敵を感じ始めている。この敵は、イスラーム諸国を脅威にさらすための機会を虎視眈々と狙っているのだ。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12334 )