イラク安定化外相級会議、トルコは目標達成
2007年11月04日付 Yeni Safak 紙

トルコの尽力により、PKKおよびイラクの治安をめぐって、イラク近隣諸国会議がイスタンブルで開催された。会議ではイラクの領土がテロ組織によって利用されないという声明が全会一致で決議文に入れられた。

トルコの尽力により2003年に設立され、進展なしといいながら停滞状態が望まれていたイラク近隣諸国会議がイスタンブルで再び動き始めた。会議には、イラク近隣諸国とともに国連、EU、G8、アラブ同盟、イスラム諸国会議機構を含め、数多くの参加者があり、会議の最後にイラクの領土がさまざまなテロ組織によって利用されないようにとの声明文が決議文に含まれた。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、サミットの開会と閉会のスピーチを行い、「テロに対し共闘するためには我々が力を合わせて協力することが必要である。こうした協力関係を補強してくれる声明文が、最後のメッセージに加えられたことは、喜ばしいことである。」と述べた。

イラク近隣諸国外相級会議は、昨日、アリ・ババジャン外務大臣が議長を務めチュラーン宮殿のボスフォラス・サロンで行なわれた朝食会によって始まった。
朝食後、外務大臣達と集合写真が取られた。会議の開会スピーチはレジェプ・タイイプ・エルドアン首相が行なった。開会の席にはパン・ギムン国連事務総長、ヌリ・エル・マリキ・イラク首相、コンドリーザ・ライス米国務長官もついた。

■イラクの責任

エルドアン首相は、イラクの特定の地域を拠点とするテロリスト組織がイラク政府に、そして近隣諸国に害を与えていることを明らかにし、「ゆえに成果をもたらしかつ緊急の措置が取られる必要があるのです。この問題はあなた方の指示を必要とする極めて重大な問題なのです。」と話した。

エルドアン首相は、イラク国内に見られる状況がこの地域全体に影響を与えているとし、トルコが、こうした状況からもっとも不利益を被っている国であると述べた。首相は、「イラクにいて悪い状況が続くことは、地域的な平和と安定にとってリスクと脅威を作り出している。これらの問題は、協力関係が望ましいレベルに達するのを妨げている。あらゆるマイナスの状況にも関わらずイラクとトルコの間の通商関係は発展し、行なわれている支援はきちんと増加している。」と述べた。首相はイラクに関し、今日重要な会議を終えたと述べ、「私たちの隣人イラクの未来が重要性を帯びていることは確かである」と話した。

■あらゆる措置を取る

イラクのヌリ・エル・マリキ首相は、PKKがトルコにとって「殺人者のような脅威」にあることを明らかにし、テロを撲滅するためにイラクは協力する用意があると述べた。マリキ首相は、「PKKの全ての事務所を閉鎖することを決定した。PKKメンバーを徹底的に監視する」と述べた。マリキ首相はPKKを「殺人者」と表現し、武器と力を使うかわりに対話でもって問題を克服することを望んだ。マリキ首相は両国の国境において治安の問題が発生していることを明らかにし、「近隣諸国にテロ攻撃があってはならない。近隣諸国とわれわれの間に対立があってはならない。イラクがテロリストの温床となってはならない。私たちの主権が重んじられなければならない。殺人者PKKによってわれわれの兄弟関係が壊されてはならない。扇動的な集会が行なわれてはならない。PKKのキャンプと事務所は完璧に閉じられるだろう。メンバーは監視され、あらゆる場所で彼らを追跡する。われわれの領土が、いかなる近隣諸国であれ、そうした国への襲撃のために利用されることを許さない。」といったことを述べた。

■クルドのバルザーニ首相も状況に気づいた

アメリカ合衆国のコンドリーザ・ライス国務長官は、NTVに行なった談話において、PKKに対しトルコとともに戦うと述べた。北イラクのクルド政府は、PKKテロに関するトルコの決意を見てとるや、状況の深刻さに気付いたと語るライス長官は、クルド政府はPKKを支持している思われたくないと考えていることを明らかにした。米国務長官は、イラク政府も今日行なわれた会議で、イラクにいるテロリストに反対の立場であるという明確な約束をしたことを明らかにした。ライス国務長官は、ハッキャーリ県ダールジャ村で12人の兵士が殉教した襲撃の際、連れ去られた兵士たちが解放されるため皆から協力を望んでいることを明らかにした。

■PKKは地域を脅かしている

イランのマヌーチェフル・モッタキ外務大臣も、テロ組織PKKがイラク北部を拠点にテロ活動を行っていることが、トルコだけではなく、この地域全体にとって不安定要素となっていると述べた。モッタキ外務大臣は、テロ活動を防ぐためのコンセンサスが見いだせると信じていると述べ、「北イラクの、イラクの、そして地域全体の安定のために、この地域の国々には、協力のうちにテロリズムと闘おうとする共通の認識がある」と述べた。

■ライス長官、2枚目の集合写真には参加、危機は解決

会議の開会時に撮られた集合写真に、アメリカのライス国務長官は遅れたため参加できなかった。ライス国務長官が写真に加わらなかったことをめぐっては、一時様々な憶測が流れたが、会議閉会時に再び集合写真が撮られ、ライス国務長官も今回は参加できた。ライス長官はこうして初めてイラン外務大臣と同じ写真に写ったのだ。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:12344 )