主要な反政府勢力は不参加のまま、リビアでダルフール協議始まる
2007年10月28日付 Al-Ahram 紙

■ 主要勢力不在のままダルフール協議がスタート
■ カッザーフィー大佐:「全当事者の出席なくして和平は確立しない」
■ アブルゲイト外相:「和平の実現は困難な任務、全当事者に柔軟さが必要」

2007年10月28日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【スルト:ムハンマド・アブドゥルハーディー、サイード・アル=ガリーブ】

交渉を成功させようとする国際的な圧力と、主要勢力のボイコットの中、ダルフール情勢に関する交渉が昨日リビアのスルトで始まった。協議の開催に際しては国連とアフリカ連合が合同で仲介にあたり、エジプトその他のスーダン周辺国、国連安保理の常任理事5カ国、EUが出席した。

リビア革命の指導者ムアンマル・カッザーフィー大佐は、全当事者、特に「スーダン解放運動」と、「正義と平等運動」の出席なくして和平を確立することはできないと表明し、会議での演説で、「アフリカ大陸中どこの反政府運動であれ、政府や合法性に対するいかなる反抗も、破壊へつながる」と警告、「アフリカ人がアフリカ人の血を流すことは禁忌だ」と述べた。

またカッザーフィー大佐は、「ダルフールにおける運動は分離主義的なものではなく、グローバル化時代において自分たちを守るための運動だ。一方で合法的な政府には憲法で保障された自身の権利を堅持し、国家の治安維持のためいかなる反乱をも駆逐する権利がある」と指摘した。そして、「ダルフール問題は部族間の問題であり、言われているような人種・民族間の問題ではない」との考えを示しつつ、スーダンの国内事情に対する西側諸国の介入を遠ざける必要があると呼びかけた。また「会議にいくつかの反政府勢力が欠席したことは、こうした部族間紛争への介入は避けるべきとの私の理論を強化するものだ」と述べ、国際社会に対して問題をその当事者に委ねるよう訴えた。

この間にスーダンのナーフィウ・アリー・ナーフィウ大統領顧問は、スーダン政府が昨日、交渉の開始に先駆けて、無条件での一方的停戦を宣言する決定を下したと発表した。他方、エジプトのアブルゲイト外相は、人道的悲劇を終わらせるため、スーダン政府と反政府勢力の間で和平プロセスを始動させることに会議が成功するよう願う、との声明を発表した。

アブルゲイト外相は、任務はたいへん困難であるとした上で、3つの明確なメッセージを全当事者に投げかけた。第一にスーダン同胞に向けて、責任の負担と同国の将来への注視を求め、第二に仲介諸国に向けて地域のパートナー、特にスーダン周辺国との調整継続の重要性を訴え、第三には国際社会に向けて、スーダン包括和平の実現という責任を果たすというその役割を強調した。

エジプト、リビア、エリトリア、チャドのスーダン周辺4カ国は昨日声明を出し、ダルフール情勢に関する最新の安保理声明、中でも和平プロセスへの不参加や妨害の帰結に関する部分を歓迎した。同声明は、交渉プロセスは包括的であるべきだと訴え、スルトでの会議に出席しなかった勢力が交渉に参加するための扉はいまだ開かれていると主張している。

本紙特派員が得た情報によれば、会議でスーダン政府は和平プロセスへの参加を拒否している反政府勢力に対し、その幹部の会議参加国への滞在禁止、移動やパスポート発行の制限、財政支援の停止といった制裁を課すことを提案していた。

地域及び国際社会の関係筋は、スーダン周辺4カ国が表明した方向性を歓迎している。周辺4カ国は会議の開始前に二回目の会合を持ち、アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長、ヤン・エリアソン国連ダルフール特使とアフリカ連合のサーリム・アフマド・サーリム特使、スーダンの外務担当国務大臣も出席した。

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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:12363 )