アメリカ大使館占拠事件28周年記念:アフシャール内務次官、大使館占拠事件を語る
2007年11月04日付 E'temad-e Melli 紙

 アリー・レザー・アフシャール内務次官は、我が国はアメリカの軍事的脅迫行為にたびたび直面してきたと指摘した上で、この種の脅迫は敵の心理的作戦のための方便に過ぎないとの見方を示し、さらに「〔アメリカが〕討論を避け、〔アフマディーネジャード大統領の〕手紙には返答せず、対話の樹立を恐れているのは、彼らには論理的な話など何もなく、もっぱら力の論理を用いるしか能がないからである。しかし、〔イランが対話を求め、アメリカが力で脅迫するという〕両者の立場がいかなるものなのか、世界の人民はよく分かっている」と語った。

 アフシャール次官はさらに、「国際世論を欺くためのアメリカによる心理戦争は、すでに敗北を喫している。どの世論調査を見ても分かるように、イラン政府とその指導者たちは世界の人民に人気があるが、アメリカの支配層は忌み嫌われている」と述べた。

 同次官はまた、「アメリカは独裁者やテロ分子を支援し、〔同国の〕スパイ分子は犯罪的な陰謀を実行し、そのために多額の費用を費やしている。しかしそれでも、アメリカ人民のためによい未来を約束することができないでいる」と強調した。

 同次官は、アメリカが制裁議論を持ち出すのは決して新しいことではないとした上で、「制裁議論は以前から持ち出されていたものだ。このような動きを無力化するための方法もある」と指摘、さらに国の独立と自由を守るためにはそれなりの代償が必要だとした上で、「アメリカは制裁議論を追求することで、自らより大きな損害を被っている」と述べた。

 アフシャール次官は自らの発言の中で、アメリカはドバイに事務所を設立し、それを「スパイの巣窟」〔=旧在イラン米大使館のこと〕の代わりとして利用して、イスラーム革命に対する陰謀にいそしんでいると指摘、さらに「我が国の情報・治安機関はアメリカのドバイ事務所の活動を熟知している。そのため、この事務所は実態を隠して活動を続けている」と指摘した。「アメリカとそれに従属する、西洋に毒された集団は、あらゆる犯罪者、密輸業者や死刑を宣告された罪人らに対してすら、支援を提供している。このことは何ら驚くに値しない」。

 同次官はまた、「アメリカのイスラーム共和国体制に対する心理作戦・陰謀の数々がその成果を挙げたことはない」と強調、国民的団結と人民の政治参加こそが、最高指導者を中心とした政治体制の力の源泉であり、イスラーム革命がこれまで存続してきた秘訣であると指摘した上で、「おかげさまで、我が人民はつねに表舞台に立ち、抑圧体制に対して革命を守り、自らの独立と名誉を維持するべく、さまざまな困難にも耐えてきた」と語った。

 アフシャール内務省政治担当次官は、1358年アーバーン月13日〔1979年11月4日〕に起きた〈スパイの巣窟〉占拠事件の記念日を前に、この歴史的事件が有しているさまざまな側面について論じた。その中で同次官は、アメリカの〈スパイの巣窟〉はテヘランの大学生らによって占拠されたことに言及しつつ、「〈スパイの巣窟〉の占拠は、国民的な意志に他ならず、一部の大学生の決断に属するものではない。彼らのうち一部の妥協的な学生がその後転向したからといって、この事件に対する評価を変更することはできない」と指摘した。

 同次官は、この占拠事件はイマーム〔・ホメイニー〕の呼びかけを受け、大学生や生徒、神学生らが世界の抑圧体制、中でもアメリカとの闘争を拡大し、アメリカによる数々の陰謀とスパイ行為、犯罪行為に対抗する目的で起こしたものであると語った。「イマームのお言葉には、あるメッセージが込められていた。多くの学生らはその意味を理解し、アメリカは我らのイスラーム革命に対する脅威の中心であることを感得した。それゆえ、われわれは〈スパイの巣窟〉、すなわちアメリカ大使館を占拠し、そうすることでアメリカに対する自らの抗議の意志を示すことを決意したのである」。

 自ら〈スパイの巣窟〉を占拠した大学生の一人であったアフシャール次官は、占拠事件の流れを形成し、実際にそれを実行したのは100%大学生らであったとした上で、次のように語った。「当初、この事件がこれほど広範な反響を獲得するとは、想定していなかった。学生らはむしろ、この事件は限定された抗議の意志を示すものであり、単なるプロパガンダ的な運動であると考えていた。しかしイマームがこの行動を真剣に支持してくれたことで、人々もその後〈スパイの巣窟〉の前でデモを行うようになり、学生らへの支持を示してくれた」。

 同次官はさらに、イマームが〈スパイの巣窟〉占拠事件を〈第二の革命〉と呼び、〈第一の革命〉よりも重要であるとのお言葉を示されたことに触れ、次のように述べている。「このお言葉のおかげで、学生らは自らの運動がもつ深い意味を感得した。アメリカという侵略的で犯罪的な抑圧者の影響力を削ぐことに対して、この行動がもつ意義を理解したのである」。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12422 )