アフマディーネジャード大統領、「裏切り者」に警告
2007年11月13日付 E'temad-e Melli 紙

【政治部】アフマディーネジャード大統領は「もし国内分子が核問題に関して圧力をやめないならば、〔彼らの名を〕イラン国民の前に公表する」と語った。イラン学生通信(ISNA)の報道によると、マフムード・アフマディーネジャード大統領は科学産業大学の学生らを前にして、さらに「彼らは裏切り者である。われわれは国民と結んだ約束に基づき、〔裏切り者と〕妥協をしたり、〔裏切り行為に関して〕傍観したりするようなことはしない」と付け加えた。

 大統領はまた、「現在、事件を担当する裁判官はスパイを無罪放免とするよう、多大な圧力を受けている」とも指摘した。その上で、「政治的・経済的影響力を有する一部の者たちが犯罪者を国民による復讐の鉄槌から救出するような行為を、イラン国民が許すことはないだろう」とした。
〔※ここで言及されている「事件」とは、イラン核問題の交渉団の一人であったムーサヴィヤーン氏がイギリスに機密情報を漏らしていたとして情報省の取り調べを受けたことを指す。また「政治的・経済的影響力を有する一部の者たち」とは、ムーサヴィヤーン氏と近い関係にあり、アフマディーネジャード大統領の政敵であるラフサンジャーニー元大統領らを指すものと思われる。〕

 アフマディーネジャード大統領はまた、「われわれは事の重大性に鑑み、彼らに対して相応の配慮をしている。しかし2〜3ヶ月後には、適当な機会にこの問題を学生たちの前で公表することになるかも知れない」と言明、さらに「核問題をめぐる最近の2〜3年間は、我が国の歴史上もっとも厳しい時期の一つであった。敵はわれわれに妥協するよう、そして〔核開発の〕努力をやめるよう迫るために、さまざまな方法を考案した。もちろん、国内にはこれとの関連で、外国人と手を結ぶ者もいた」とも述べた。

 学生らが「アフマディー、アフマディー、われわれはお前を支持するぞ」とのシュプレヒコールを上げる中、大統領は核活動〔の成功〕を阻害する者たちに向けて、「傍観していてはだめだ。もし圧力をやめないならば、それはイラン国民への裏切りであり、国民に〔裏切り者の名を〕公表する」と続けた。

 学生らが「偽善者に死を」のシュプレヒコールを上げる中、アフマディーネジャード大統領はさらに「核問題では、事の重要性に鑑み、われわれも配慮して何も言ってこなかった。しかし一部の者は邪魔をやめようとしていない」と述べた。

 〔中略〕

 学生らが「偽善者に死を」のシュプレヒコールによって、アフマディーネジャード大統領に同調する中、同大統領は「彼ら〔=裏切り者〕は経済の分野で、さまざまな計画を立ててきた。一言で言おう。われわれは経済の分野で一つ一つ着実に、重要な闘争を行っているところである」と語り、さらに次のように続けた。

「彼らはプロパガンダの分野でも、心理的な圧力を加えてきた。例えば、彼らは一度に50ものチャンネルを通じて圧力をかけてきては、次のように言ってきたものだ。『彼ら〔欧米〕ははわれわれを攻撃しようとしている。何故妥協しないのだ?何故国を犠牲にしようとするのだ?』、と。彼らはさまざまなチャンネルを通じて圧力をかけ、国のさまざまな意志決定機関に対して影響力を行使しようとしてきた。使者を派遣しては、体制内部の情報を外国人に与えていた。彼らは定期的に、週に一度のペースで〔外国人と〕面会し、『最近どうだい?』などと挨拶を交わしていたのだ。あまつさえ、彼らは敵どもに『何故〔国連の〕決議を遅らせたのだ。もっと厳しい決議にしろ。そうすれば政府も妥協するさ』などと言っていたのである」。

 アフマディーネジャード大統領はまた、科学産業大学で行った演説の中で、次のように述べた。「第三の決議が作成されつつある、などというプロパガンダを時に耳にする。IAEAがイランの核活動は平和目的であると言明している時に、〔IAEAが説明を求めている〕疑問に対してイランがきちんと回答している時に、どんな決議がありうるというのか。一部には問題はわれわれにあるなどとほのめかす向きもあるが、しかし問題は彼ら〔=欧米諸国〕にあるのだ。強権的な国々はこれまで2つの〔制裁〕決議を採択してきたが、彼らはそれを正当化するのに苦労している。そのため彼らはいつものように、われわれの側に責任転嫁しようとしているのである」。

 大統領は学生らに向けて、次のように語った。「一つの偉大で世界的な使命に向けて、準備をしておくように。今日、われわれに対して、ますます大きな期待が寄せられるようになってきている。私や私の協力者たちが臨んだ会談の中で、さまざまな国が私たちに協力を要請してきた。彼らは、『私たちの経済問題を解決してほしい』、『技術分野で私たちを支援してほしい』などとわれわれに言っているのである」。

 アフマディーネジャード大統領はさらに自らの経験に触れ、次のように述べた。「神聖な動機をもたずに、重大な局面に参加したものの、最後には偶像と偶像崇拝主義者たちと同調した者たちがかつて存在した〔※革命運動に参加し、その後体制から排除されていったMKOやバニーサドル元大統領、あるいは革命後暫定政権を担ったリベラル派の「イラン自由運動」などを指すものと思われる〕。かつては質素な生活を送り、〔革命〕闘争について〔熱心に〕語っていた者が、カネを知るやカネ以外のことには関心を示さなくなったという事例も、私は知っている。社会の貧困を憂慮し、〔革命前のシャーの〕親衛隊と戦いつつも、〔革命後〕裕福になるや、虐げられし困窮者たちには目もくれることなく、そればかりか彼らを自らの〔私的な〕動機のために犠牲にした者がいることも、私たちは知っている〔※きわめて裕福であるとされるラフサンジャーニー元大統領のことを示唆しているものと思われる〕」。

 大統領はその上で、「私は次のように言いたい。現在億万長者となった成金どもには、革命闘争に参加した経歴などない、などと想像してはならない〔※ラフサンジャーニー元大統領がことあるごとに、革命の功績者たちのこれまでの貢献を疑問視するような発言は慎むべきであると暗にアフマディーネジャード大統領を非難していることを逆手にとっているものと思われる〕。革命闘争に参加したと吹聴している者の中には、これまで二度億万長者になり、二度とも事業に失敗した者がいることを、私は知っている。この人物は富を手に入れるために、国のあらゆる法律を踏みにじってきたのである」と語った。

 〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12473 )