イラン・米、4回目となる協議を近く開催へ
2007年11月21日付 E'temad-e Melli 紙
【政治部】イラクの安定と安全とめぐるイラン・米の対話が中断して数ヶ月、ついに〔イランにおけるアメリカの利益代表部である〕駐イラン・スイス大使館は新たな協議へ向けたアメリカ政府のメッセージをイラン外務省に手交した。これに対しイラン外相も、イラン・米協議が近く開かれる見通しであることを明らかにした。
イラク政府の呼びかけ・提案に応じる形で、四回目となるイラン・米協議の開催が発表されたことで、数ヶ月にわたる対話の中断も終わりを迎えることとなった。
米国務長官はこれより前、米・イラン協議が近く開催される可能性を否定しており、イラン当局筋も、イラク政府及び米政府の呼びかけ次第であるとの見方を示していた。サイード・ジャリーリー・イラン国家安全保障最高評議会書記も先週木曜日、「イラク問題についてアメリカとの協議を行うかどうかはまだ決まっていない。イラン・イスラーム共和国はこの点について、何も決めていない」と語っていた。
これに対してアリー・アル・ダッバーグ・イラク政府報道官は日曜日、イラク情勢をめぐるイラン・米間の対話を呼びかけており、フーシヤール・ズィーバーリー・イラク外相もそれより前に、「イランはイラク・米・イランによる三者協議の継続を望んでおり、今月の最終週にも行われる予定である」との談話を発表していた。
イラン・米・イラクによる第三回目の三者協議は、モルダード月15日月曜日〔8月6日〕にグリーン・ゾーンにあるマーリキー・イラク首相官邸で、実務者レベルで行われた。この協議の代表は、アメリカ側はマーキー・リース(Marcie Ries)軍事・政治担当参事官が、イラン側はホセイン・アブドッラーヒヤーン副団長が務めた。これに対し、それより前の2回の協議は大使級で行われ、ハサン・カーゼミー=ゴンミー駐イラク・イラン大使とライアン・クロッカー駐イラク米大使が代表を務めており、次の新たな協議も大使級で開かれるものと見られている。
クロッカー大使は第三回目の協議が行われた一ヶ月後、アメリカはイラクの治安をめぐるイランとの三者協議を再開する用意があると言明していた。
今回新たな協議の開催が発表された背景として、イラクをめぐってイラン・米関係に二つの前向きな変化が生まれたことが指摘できる。すなわち、第一にアルビールで拘束されたイラン人外交官2名を含む、イラク駐留米軍によって拘束された9名のイラン人が釈放され、〔その他の〕被拘束者についても家族との面会が許されたことである。第二に、イランがイラクの国内問題に介入しているとのイランに対するアメリカの非難が、目に見えて減ったことである。
イラクをめぐるイラン・米間の緊張緩和に向けた努力が続けられていることを示すものとして、一部の観測筋はイラクの米当局がイラン人被拘束者の家族に囚人らとの面会を許可したことを指摘している。イラン国営通信の報道によると、駐イラク・イラン大使はイラク駐留の米当局管理下の拘束施設に収監されているイラン人囚人らの家族との面談の中で、イランがこれらの囚人全員の早急な釈放を強く求めていることを説明した。
月曜日の夜に行われたカーゼミー=ゴンミー大使との面談の前に、米軍によって拘束されているイラン人囚人らの家族はこれらの囚人との面会をすでに果たしていた。バグダードで行われたこの面会は2時間にわたって行われた。ゴンミー大使によれば、この面会はイラン当局の努力によるものであり、分かっている限りで、現在イラン人としては3名の外交官、3名の政府職員、及び20~25名の民間人がイラク駐留米軍によって捕らわれているという。
同大使によれば、囚人の家族らは囚人たちの無事を確認したという。また同大使によれば、イラク当局は囚人らの可及的速やかな釈放に向け努力しており、アメリカの当局者たちもイラン人囚人らが親族と毎月面会できるよう取りはからうことを約束したという。
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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:12496 )