■ アナポリス国際会議への限られた期待、シリアが参加を決定
■ ブッシュ大統領、2国家共存案に「自ら責任」
2007年11月26日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【AFP、ロイター、AP、MENA】
シリア政府は、米メリーランド州アナポリスにある海軍兵学校で明日(27日)開催予定の中東和平国際会議に参加することに合意したと昨日発表した。しかし、会議に出席するのはファイサル・アル=ミクダード副外相であり、会議参加を決めた他のアラブ16カ国のように外相自身ではない。
会議を2日後に控えて、成果実現の見込みに関する期待は低いままであり、おそらくその悲観的なムードゆえに、会議の主催者であるジョージ・ブッシュ米大統領は、パレスチナ・イスラエル紛争を終結させる2国家共存案に対して「自ら責任を負う」とあらためて強調することになった。また、コンドリーザ・ライス米国務長官は、国際会議で提出されるはずの共同文書をめぐる合意に到達するために、期間は限られているがパレスチナ・イスラエルの両交渉団との一連の話し合いを始めた。
ブッシュ大統領は今日、パレスチナのマフムード・アッバース大統領とイスラエルのエフード・オルメルト首相を招待し、明日のアナポリスでは3者が手を取り合おうという前提のもと、ホワイトハウスにて別々に会議を行った。なお、アッバース大統領とオルメルト首相とは水曜日にもホワイトハウスで個々にさらなる会議を行うという。
ブッシュ大統領は声明の中で、「安全と平和のもとに共存するイスラエル・パレスチナという2つの民主国家」を建設する「自身の個人的責任」があることを言明した。さらに「イスラエル人とパレスチナ人はそうした見解を現実に具体化するのを長い間待っている」と述べ、アナポリス会議の全出席者に「この夢が実現するようにさらなる努力をすること」を求めた。ブッシュ大統領は、「今回の会議への中東諸国や他の諸国の幅広い参加は、中東における自由と平和の進展に向け、この重要な機会を活用しようという国際社会の決意があらわれている」という考えを示した。
米国務省のショーン・マコーマック報道官は、「我々は、共同文書が完成し、この点について適切な状態でアナポリスに臨めることを確信している」と述べた。しかし、火曜の会議の間にも、舞台裏で交渉が続けられる可能性もある。
スティーブン・ハドリー米国家安全保障担当大統領補佐官によれば、「今回の会議は交渉の場ではなく、交渉の出発点である」という。
ホワイトハウスの国家安全保障会議のゴードン・ジョンドロー報道官は、「中東諸国や世界各国の多くの参加を歓迎する。…数の多さは和平実現に向けたイスラエル・パレスチナの努力に対する支援の大きさを示すものだ」と述べた。
なお、アラブ16ヶ国とアラブ連盟からの代表者がイスラエルと向かい合って着席するのは10年以上ぶりである。
(後略)
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( 翻訳者:千鳥伊久美 )
( 記事ID:12539 )