チャベス大統領、7回目となるイラン訪問を果たす:イランとベネズエラ、共同出資銀行の設立で合意
2007年11月20日付 Iran 紙

【政治部】テヘラン・メフラーバード空港の管制官は数時間のうちに二度、OPEC会議に参加した国の大統領を乗せたリヤド発の二機の飛行機に着陸の許可を出した。

 ベネズエラ共和国の革命的大統領ウゴ・チャベスは、サウジアラビアで行われた石油輸出国機構(OPEC)首脳会議の合間に行われたアフマディーネジャード・イラン大統領との「雑談」には満足できず、大統領在任期間中7度目となるテヘラン訪問を行った。

 チャベス大統領は外務・石油・産業・通信各省の大臣、大統領府長官、及びベネズエラの首都カラカス市の市長らと共に、両国の関係強化と合意文書への署名、そして両国の新たな協力について話し合うことを目的に、テヘラン入りした。

 チャベス大統領を迎えたイラン政府の高官によれば、両国は〔世界の〕諸国民の利益に資するべく、平和と安全の確立を目的とした大規模な計画を策定しているところであるという。

イランとベネズエラ、共同出資の銀行を設立することで合意

 アフマディーネジャード、ウゴ・チャベス両大統領は公式の歓迎式典の後に、約二時間特別会談を行い、さまざまな分野での両国の全方位的な関係発展に関して話し合った。

 両国の大統領はこの会談において、経済、金融、技術、石油化学の各分野での協力拡大の必要性を強調した。テヘラン=カラカス友好・共同協定は昨日、より強固で広範なものとなり、両国の間で交わされた文書の数は190に達した。これは事実上、両国が一貫して戦略的な同盟関係を築いてきたこと示すものである。

 ・工業用の鋳型の生産に関する協定、・イラン石油省とベネズエラ国営石油公社の間で結ばれた〔技術者の〕教育・訓練に関する合意、・イラン・ベネズエラ両国の共同出資による銀行設立に関する合意、・共同基金の設立に関する合意、の四つの新たな協力文書が両国関係当局によって締結された。
 
アフマディーネジャード「イランとベネズエラは最後まで共にある」

 「ベネズエラ国民とベネズエラの勇敢な指導者、万歳」。両国の緊密かつ広範な友好関係を背景に、アフマディーネジャード大統領はチャベス大統領との共同記者会見の終わりにこう述べた。

 アフマディーネジャード大統領は記者会見の中でさらに、イランとベネズエラは友であり兄弟であるとして、以下のように続けた。「我々は国民の権利と自らの理想を守ることにおいて、最後まで共にあるだろう」。

 イラン・イスラーム共和国大統領はまた、われわれは二国間関係のレベルであれ、国際関係のレベルであれ、協力関係を最大限拡大させることを決意していると強調した上で、「強権的抑圧体制の願望に反し、我々の関係はあらゆる分野で拡大しつつある。イランとベネズエラは一緒になって、虐げられた諸国民の側に今後も立ち続ける〔=抵抗し続ける〕だろう」とも語った。

 アフマディーネジャード大統領はさらに、「我々は幸運にも、強権的抑圧体制が衰退し、〔世界の〕諸国民が相次いで勝利を収めている様子を目撃している」と加えた。イラン共和国大統領は続けてこう指摘した。「親愛なる兄弟チャベスの見解は極めて明快で建設的、かつ革命的であり、我々はこのような見解を共有している。我々は勝利の頂を征服するまで、ともに立ち続ける〔=抵抗し続ける〕だろう。神は我々と共にあり、勝利は我々を待っている」。

 アフマディーネジャード大統領は、この短い訪問で達成された数々の合意に触れた上で、「この訪問は短いが、実りの多いものであった」と強調した。

「ドルは信用を低下しつつある」

 ウゴ・チャベス大統領もまた、今回の短期間のテヘラン訪問を建設的なものであったとし、以下のように発言した。「今回の訪問では、イラン大統領と大変有益な会談をもてた。また二国間、ならびに多国間の問題についても話し合うことができた」。

 チャベス大統領はイランを第二の故郷とした上で、「イランとの関係は道徳、政治、経済、社会、地政学等様々な分野で、われわれにとって大変価値のあるものである」とも語った。

 チャベス大統領は両国の投資総額を46億ドル近くにのぼっていると発表した上で、こう述べた。「もちろん、我々はまもなく、ドルについて語るようなことはなくなるだろう。なぜならば、現在ドルの信用は低下しつつあり、それに呼応するようにドルの帝国も神の助けにより、崩壊することが予想されるからである。なるべく速やかにアメリカの逸脱した帝国主義が崩壊せんことを、神に祈らなくてはならない」。

 ベネズエラ大統領はさらに、「イランは核の平和利用の権利を持っている」とも述べた。

〔後略〕

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( 翻訳者:前川元 )
( 記事ID:12549 )