第8期国会選挙に向けた改革派・原理主義派双方の統一リスト作成、進まず
2007年12月02日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】内務省は第8期国会選挙へ向けた活動の開始時期としてアーザル月15日〔12月6日〕を指定した。しかし政治各派が選挙へ向けた動きを加速化させている様子は、今のところ見られない。

 アリー・レザー・アフシャール選挙委員長は、選挙には約1万人が立候補登録し、そのうち一部の立候補者は必要とされる条件をクリアしていないといった理由から、立候補資格を得られないだろうとの予測を発表している。

 アフシャール委員長はさらに、「3名以上の当選者を有する13の都市での票の読み取り作業は、コンピュータによって行われる」と述べた。

 内務省政治担当次官である同委員長はまた、第8期国会選挙での投票資格年齢は18歳以上であるとした上で、「それによれば、投票資格を得ることができるのは約2600万人となるだろう」との見通しを明らかにした。同委員長は、内務省は今回の選挙に関し投票者の資格年齢として18歳以上を想定して計画を立てているとしたが、投票年齢が変更される可能性も否定しなかった。
〔訳注:従来イランでは15歳以上が投票資格年齢とされていたが、2007年に18歳に引き上げられた経緯がある。アフマディーネジャード大統領は投票年齢の引き上げには反対している。〕

 選挙リスト、いまだ未完

 選挙への立候補の届け出はデイ月24日〔2007年1月14日〕に始まるが、原理主義派・改革派双方ともいまだ最終的な立候補者リストに関して合意できていない模様だ。原理主義派はコンセンサスと団結こそが選挙での勝利を保証するものだとの信念から、すべての原理主義グループを抱える包括的なリスト作りに細心の注意を払って取り組んでいる。

 原理主義統一戦線実行担当書記のシェハーボッディーン・サドル氏は、アーザル月末〔12月21日〕までに原理主義派の最終リストが完成するだろうとの見通しを明らかにした上で、「われわれは原理主義に関心を寄せる全ての人物・グループが、ともに一つのグループに収まることができるよう努力している」と語る。

 技術者イスラーム協会の総書記〔バーホナル国会副議長〕も、原理主義統一戦線に「6プラス5評議会」が結成されたことに触れた上で、次のように述べる。「第8期国会選挙は、この仕組みがうまくいくかどうかを測る試金石となろう。この仕組みの成否は、国民にとって受け入れ可能な適切な勢力全てを包含した、統一リストを作ることができるかどうかにかかっている」。

 アサドッラー・バーダームチヤーン氏も、次のように述べている。「原理主義統一戦線の各地方評議会は、アーザル月15日〔12月6日〕までに各州の最終リストを、テヘランにある原理主義派統一戦線中央評議会に提出することになっており、それに基づいて候補者を検討する予定だ」。イスラーム連合党代行はさらに、「原理主義統一戦線の仕事は、通常通り好ましい形で進捗している。統一戦線のメンバーらは今、全国でリストの検討を行っているところだ」と付け加える。

 「イランの多くの地域で、原理主義統一戦線のメンバーらの間に良好な相互理解が広まっている」。原理主義統一戦線中央評議会の委員である同氏はさらに、「6プラス5グループ」は多くの原理主義諸派と話し合いを重ねてきたと指摘した上で、「原理主義統一戦線は全ての原理主義者らと協議を行っている。原理主義者間で一致団結した雰囲気が生まれており、その成果は最終的なリストが公表されるころにははっきりとするだろう」と語った。

 イスラーム連合党中央評議会委員のバーダームチヤーン氏はまた、多くの州で原理主義統一戦線の評議会が結成されていることを強調した上で、「全国28州〔イランは全部で30州からなる〕で原理主義派統一戦線評議会が結成されており、職務に励んでいるところだ」と述べた。

 改革派のとまどい

 改革派もまた同様に、原理主義派の動きに影響を受けつつ、テヘランに中央本部を立ち上げて地方支部との連絡を行っており、全国レベルでの〔統一の〕選挙リスト作りで合意に達しようと努力しているところだ。にもかかわらず、改革派はさまざまな理由から、最終的なリストに到達するのに、多くの問題・障碍に直面している。中でも最も重要なのは、著名な改革派の人物が立候補資格を獲得できないのではないかとの懸念である。これらの人物には、護憲評議会から立候補資格を認められるかどうかをめぐって不安がつきまとっており、そのため最終的な選挙リストを作成することに対して、最後の瞬間までとまどいが生じている。

 その一方で改革派はいまだに、「闘う宗教指導者会議」から「イスラーム革命聖戦士機構」までを含む、考え方を共有するすべての政治諸派が選挙にともに参加するための、中央集権的な話し合いの場を設けることができずにいる。改革派の選挙へ向けた意志決定や計画作りはバラバラに行われており、相互の意思疎通はあまり行われていない。メフディー・キャッルービー師が、国民信頼党がもし改革派諸派と共通のリストを提出するとしても、選挙へは独自に参加すると述べているのも、まさにこのためである。

 イラン・イスラーム参加戦線党、イスラーム革命聖戦士機構、そして闘う宗教指導者会議の各派は、セイエド・モハンマド・ハータミー元大統領を中心として、改革派戦線の強力な核となるものを再興しようと努力している。セイエド・モハンマド・ハータミー師に対して国会選挙に参加するよう促し、地方への遊説が定期的に行われているのも、このためである。

 改革諸派の間には見解の相違があるものの、次の点では一致している。すなわち、たとえ第8期国会選挙で絶対的な勝利を収めることができなくとも、相対する原理主義派の内部でコンセンサスが得られず、対立が煽られるといった弱みを利用することができれば、第3期地方議会選挙のときのように一定の議席は確保できるだろうとの読みである。地方議会選挙では、改革派は絶対的な勝利を手にすることができなかったが、ライバルが絶対的な勝利を収めることを阻止することはできたのである。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら
関連記事(ハータミー師が立候補した場合、国民信頼党の選挙リストの第一位候補に)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:12607 )