ライス米国務長官、イスラエルへの解決の押し付けは「越えてはならない一線」だとして拒絶
2007年11月25日付 Al-Ahram 紙

■ ライス米国務長官、解決をイスラエルに課することを拒否、「それは越えてはならない一線だ」と表現
■ ブッシュ米大統領による開会演説、アナポリス会議後に焦点
■ エジプト、信頼構築と入植の完全な停止に向けた真剣な措置を要求

2007年11月25日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ワシントン:ホダ・タウフィーク、アースィム・アブドゥルハーリク】

今日実施されると思われるパレスチナ側とイスラエル側との協議を前に、コンドリーザ・ライス米国務長官はイスラエルに対するいかなる解決の押し付けをも拒否すると述べ、「それはレッド・ライン(越えてはならない一線)だ」表現した。

ライス長官は「イスラエルのエフード・オルメルト首相がパレスチナの土地を新たに没収することはないと約束したことは、非常に重要なステップである」と語ったが、イスラエルがロードマップに従って既存入植地での建設を凍結することを拒否している点についてはコメントしなかった。

 米国務省のある高官は、ライス長官とパレスチナ・イスラエル双方との協議ではアナポリス会議後の段階に焦点が当てられ、ブッシュ大統領の開会演説でも同じ点が中心に来るだろうとの考えを明らかにした。

これに先立ちライス長官は、一昨日にアラブ諸国の外相たちがアナポリス会議への参加を発表したことを歓迎した。

【カイロ:サーリー・ワファーイー】

エジプト外務省の公式報道官であるフサーム・ザキー氏は、エジプトのアナポリス会議における立場は以下の基本的な要素に重きを置いたものとなると発言した。すなわち、①国連安保理決議242号および338号と1397号に示されている前提②マドリード和平会議での諸原則③アラブ和平提案の3つがアナポリス会議で出されるあらゆる文書に記載される必要性、そして信頼構築、入植の完全停止、分離壁建設の停止、被拘束者の解放、検問所の撤去、パレスチナ国家とエルサレムの境界線策定に向けた真剣な措置などである。

明日の朝、ブッシュ大統領はオルメルト首相と会い、その後パレスチナのアッバース大統領と会談する。アッバース大統領は昨日、ラバトからワシントン入りした。

一方、アメリカのワシントン・ポスト紙は昨日、ブッシュ大統領が中東問題の解決を後押しするために大きな努力を払う可能性を退け、「ライス長官が丸々一年を費やし、8回も現地訪問をしたその努力は、たった1日の会議を産み落としただけだった」と報じた。さらに同紙は、アメリカの前イスラエル大使だったDan Kurtzer氏の発言として、「ブッシュ大統領の対テロ戦争への関心が、イスラエルとその安全保障への親近感につながっている。またブッシュ大統領は結局のところ、パレスチナ人が和平交渉の締結に必要な譲歩を示すことはないだろうと疑っているのだ」と伝えた。

一方、イスラエル・テレビはオルメルト首相に近い筋からの情報として、シリアとの二国間交渉を再開することは地域に肯定的な変化をもたらし、敵対勢力を除去することにつながるとの考えから、首相が無条件でシリアとの交渉に入る準備をしていると報じた。

イスラエルのベンヤミン・ベン・エリエゼル社会基盤相は、「時間という要因はイスラエルのためにもパレスチナのためにもならない。紛争解決の枠組みを定める共同文書には到達できなかったにせよ、アナポリス会議を賞賛すべきだ」と語った。

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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:12610 )