マルセール・ハリーファが全米ツアー、各地で取り調べを受ける
2007年11月28日付 Al-Nahar 紙
■ 「アメリカで取り調べを受け、亡くなった祖父の漁師ユースフについて尋ねられた」
■ マルセール・ハリーファ:「世界は暗い時代に向かって走っている」
■ 「音楽とは、自由と祖国建設のために立ち向かうこと」
2007年11月28日付アル=ナハール紙(レバノン)HP社会面
【ホダー・イブラヒーム(AFP)】
アーティストのマルセール・ハリーファは、アメリカ合衆国とカナダの25都市に及んだ全米コンサート・ツアーからパリにある自宅へ戻った後、このツアーの最中に治安当局の嫌がらせに遭い、何度も取り調べを受けたことを明らかにした。
ハリーファは今回の全米ツアーでニューヨーク、ボストン、クリーブランド、デトロイト、ヒューストン、シカゴ、モントリオール、トロントなどの都市で25回のコンサートを行った。最終コンサートの会場はワシントンの「ケネディー・センター」であった。
ハリーファは、「中東からのアーティストがこのような困難な時期に開催する今回のようなツアーが、何事もなく済む筈はない。移動するたびに私はバンドと共に隔離された部屋に押し込められ、取り調べが行われた」と語った。またこれに関して彼は、皮肉を込めて「ある空港では、漁師をやっていた亡くなった祖父のユースフについて尋ねられた。もしアメリカ合衆国で自分のことを尋ねられると知っていたならば、祖父は大喜びしただろうな」と語った。
サンディエゴのある劇場で予定されていたコンサートは、「市内のユダヤ人社会の感情を刺激する」かも知れないということを口実にホールの経営者が契約を取り消したため、上演を中止されている。
この事件に関してハリーファは、「私はあちこちで理不尽な目に遭っている」とコメントしている。これは数ヶ月前にバハレーンでハリーファのプロデュースした音楽劇『カイスとライラ』に関して、バハレーンの強硬派議員たちの主張で取り調べが開始されたことを指している。この取り調べはいまだに継続されている。またハリーファは以前に、マフムード・ダルウィーシュの有名な詩「父さん、僕はユースフ」を歌唱したことにより、ベイルートでハリーファ自身の表現によれば「忌まわしい」裁判にかけられたこともある。
ハリーファはツアー中に、エイミー・グッドマンが司会を務め北米500局以上で放送されているニュース番組「デモクラシー・ナウ!」にゲスト出演した。この番組には故エドワード・サイードら著名な著述家やアーティストが出演している。
(後略)
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( 翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラビア語メディア翻訳) )
( 記事ID:12622 )