メスバーフ=ヤズディー師、科学技術相と会談:大学のイスラーム化の現状に注文
2007年12月06日付 E'temad-e Melli 紙

【政治部】科学技術相は同省次官ならびにテヘランの各大学の学長らとともに、ゴムの「イマーム・ホメイニー教育研究所」を訪問、アーヤトッラー・メスバーフ=ヤズディーと会談した。
〔メスバーフ=ヤズディーは最強硬派のイスラーム法学者で、アフマディーネジャード大統領と近い関係にある。同師はいわゆる「ハッガーニー学派」の創始者の一人で、同学派出身のイスラーム法学者たちは司法権や情報省などに深く食い込んでいるといわれている〕

 この会談の中でメスバーフ=ヤズディー師は、革命の根本的なテーマの一つとして「大学のイスラーム化」があると指摘した上で、次のように語った。「文化革命6人委員会が発足して以降、大学で教えられる倫理学の教科書は同委員会が作成し、また倫理学の教師はイスラーム神学校が提供することになった。しかし、こと倫理学の教師の育成については、何も決められなかった。その結果、われわれは現在、大学で倫理学を教える教師の数が5千人不足しているという状況に直面している」。

 「イマーム・ホメイニー教育研究所」の所長を務めるメスバーフ=ヤズディー師は、「大学のイスラーム化」に関してこれといった進展が見られないと苦言を呈した上で、次のように指摘した。「大学イスラーム化会議で、《イスラーム》という言葉すら口に上らなかった時期もあった。これを見てさすがの最高指導者も、当時の科学技術相に対して大学のイスラーム化に取り組むよう求めたほどだ。ところが残念なことに、大学のイスラーム化は何ら実現されなかった」。
〔訳注:メスバーフ=ヤズディーはここで、ハータミー時代のいわゆる「改革路線」を革命の基本理念からの逸脱であると批判している〕

 同師は、イマーム・ホメイニー教育研究所は大学のイスラーム化を全面的に支援すると明言した上で、「政府が大学のイスラーム化に取り組もうと考えているのなら、何をしなければならないかはきわめて明瞭だろう。第9政権大統領との最初の会談で、われわれはこのことについて、聖法に則った責務として〔協力する〕用意があること明言した。政府と協力してこの重要な責務を果たすためなら、全力を尽くすつもりだ」と述べた。

 アーヤトッラー・メスバーフ=ヤズディーは自らの発言の別の箇所で、国の抱える問題を短期間のうちに解決するよう政府に期待してはならないとした上で、「国全体を治めることは重責である。問題を解決するもっとも合理的な方法は、問題解決に優先順位をつけることである。もちろん、優先順位をつける際の規準が重要だ。イスラーム思想に則って優先課題を選び出さねばならない。この作業を行うのは、敬虔なムスリムの思想家・文化人でなければならない」と指摘した。

 同師はまた、国の文化に変革をもたらすためには長い時間が必要だと認めた上で、「我が国の文化問題を取り扱う際の問題の一つとして、長期的なプロジェクトを策定し実行するには時間が足りず、〔政権の変化に伴って〕責任者たちが大幅に入れ替わってしまうということが挙げられる。政権が変わっても、文化行政に関わる基本的な計画や理念は変わらないといった体制になっていたならば、目標により近づいていたはずだ」と述べた。

 メスバーフ=ヤズディー師は最後に、重要な仕事は信頼のできる敬虔な人物に託すべきだと強調した上で、「主要なポストに誰を選ぶか、よくよく気をつけるべきだ。また恒久的な仕事をすることも、職務の一つであることに留意してほしい。例えば、教員養成大学に大学教師を養成するためのコースを再び設けるといったことである」と注文をつけた。

 他方、この会談の中でザーヘディー科学技術相は大学における文化状況について報告した上で、次のように語った。「第9政権が政権に就く前、一部の政治党派は学業と並行して、宗教や精神について語ることがきわめて困難であるような〔物質主義的な〕環境を、大学内に作り出していました。しかしこの二年間の仕事の甲斐あり、不適切な精神的状況が大学にはびこっていると指摘する声が、時に聞かれるようになりました。以前は適切な精神的状況の欠如といった問題が、気にとめられることすらなかったのが、今や少なくともこのことが問題視されるようになったのです。このこと自体、一つの成功だといえるでしょう」。

 同相はまた、この二年間、大学内でこれといった騒擾が起きていないことを指摘した上で、「大学を取り巻く環境は、かつてとはかなり変化しました。しかし望ましい状況とは、まだまだ距離があるのも事実です。これまでの計画を継続すれば、今後5年のうちに、大学構内に入った瞬間、イスラーム大学に足を踏み入れたことを実感できるような状況に到達できるものと考えています」と期待を表明した。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12632 )