不法出稼ぎ労働者の悲劇 -ヨーロッパへ渡ろうとしたトローリー船沈没
2007年12月11日付 Radikal 紙
約60人から70人の不法移民のグループを乗せた15メートルのトローリー船が沈没し、そのうちたった6人が泳いで岸までたどりついた。捜索に希望はない・・・。
トルコを通過する希望の旅は、イズミル湾の波にのまれて終わりを迎えた。「ギュルルク」という名の15メートルのトローリー船を満たしギリシャを経由してヨーロッパへと向かう夢を抱いた約60-70人の船は沈没した。イズミルのセフェリヒサル郡沖の惨劇で6人が泳いで岸にたどり着くことができた。溺れた者の一部は死体となって岸に打ち上げられた、一部は海上で回収された。現在のところ死者の数は2名の女性を含む44人だが、その数は増加している。
■ 通報はホテルより
セフェリヒサル郡沖で一昨夜0時30分ごろに海で助けを求めているのに気付いたホテルの従業員が、保安機関に通報した。このため、海上警備のボートと漁船で海上での救助活動が始まった。警察と憲兵も海岸線を捜査した。朝になると海上警備のヘリコプターも捜査に加わる一方で、6人の遭難者が泳いで岸までたどり着いた。その中の3人は、パレスチナ国籍のユスフ・イナド、アフメト・ムハンメド・ハサン、アミン・シャハジゴであることが公表された。3人のパレスチナ人が波にのまれ、岸の岩場に衝突して負傷したことが明らかになった。パレスチナ人は膨らませた車のゴムタイヤにつかまり、南西の風が彼らをウルクメズ・ドアンケントの敷地の海岸に運び救助されたことがわかった。
ただ希望の旅での他の避難民は彼らのように幸運ではなかった。約4キロメートルの海岸線の入り江で岸に打ちつけられ、海に浮かんだ44人の死体が見つかった。セフェリヒサル郡郡長のオルハン・シェフィク・ギュルディビ氏の発表によると、不法移民は、12月8日土曜日の19時ごろイズミルのアルサンジャクに集合し、ここからセフェリヒサルに送られた。救出された者の供述によると、スーアジュクまたはドアンベイから出発したが、長く航行を続けられなかった。船は波の高さを2メートル以上とした南西の風により沈没した。不法移民が乗っていた15メートルのトローリー船はムーラのボトルム・ギュルルク港に登録される「ギュルルク」という名のトローリー船とみられている。この船は15日前、スーアジュク港に到着して停泊し、トローリー船にもかかわらず、船上に網がないことが漁師たちの注意を引いた。3日前に港から出航したことがわかった。
船にいた不法移民の多くがパレスチナ人、イラク人、ソマリア人であることがわかった。ギュルディビ郡長は、「本日12月10日は、世界人権デーだ。こうした人々は生活する地に平穏な暮らしと就業の機会がないためにこうした方法を試している。本地域では、保安部隊が不法に通過しようとするものに対して継続して警備にあたっている。ここ最近、本地域から不法に通過しようとした350人が逮捕された」と述べた。
(後略)
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( 翻訳者:大田垣綾子 )
( 記事ID:12643 )