フランス政府が圧力をかけ、(EU)首脳会議の草案からトルコの「加盟」という文言が削除された。
ニコラ・サルコジ仏大統領は、12月14日のEU首脳会議の最終声明において、トルコと「加盟資格」、「加盟」という文言が同時に用いられることを阻止した。昨日(10日)のEU外相会議でフランスが譲歩しなかったために、(2007年下半期EU)議長国であるポルトガルの声明は困惑するようなものとなった。拡大分野において「議論の目的は加盟資格の検討である」とは言及されず、議題決定のための会議に対し、「加盟会議」ではなく「政府間会議」という表現が使われた。
声明では、西バルカン諸国よりは優勢な表現で言及されている一方、トルコは加盟要件の全てを実行できておらず、法的、政治的改革は鈍化し、港湾をギリシャ系キプロス人に開港していない、といった「不十分さ」が長々と並べ立てられた。最後には、12月18日における「政府間会議」によって、トルコおよびクロアチアとの手続き上の準備が整った議題が、議論されることが期待されているとの朗報がもたらされた。トルコと議論される議題は、消費者の諸権利と健康の保障、そして欧州間コミュニケーションネットワークから構成される。
Anka通信によると、声明では加盟交渉過程について言及した2006年12月首脳会議の決議が引き合いに出された。声明では、「EU理事会は、東と南東(ヨーロッパ)ために経済的、社会的、文化的な発展を保証する包括的な戦略が迅速に展開され、適用されることが必要であると念を押している。トルコが人権と国際法を尊重しつつ、テロとの戦いに奮闘していることを支援するものである」と記載されていた。
■トルコ政府:本当に不愉快な理由
欧州委員会のオッリ・レーン拡大担当委員が「EUは、新たな議論でもって、加盟プロセスの進展を示す必要がある」と強調したにもかかわらず、EUの文書において「加盟資格」と「加盟」という文言が同時に用いられていないことは、「フランスの事実上の勝利」と解釈された。
ジェミル・チチェキ政府報道官は、「トルコは、EUとのみ関係を持っているのではありませんし、さまざまな試みをEUの決議通りにやっているのではありません。悲観論には背を向けて、憤慨する必要もありません」と述べる一方、レヴェント・ビルマン外務報道官は、次のような説明を行った。
「声明は、加盟の目的、加盟のための議論のプロセス、そしてEUの同意を確認しているのに、これらに対する言及が間接的になされていることには、本当に不愉快な気持ちにさせられます」
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( 翻訳者:幸加木 文 )
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