シャヒード・ベヘシュティー大学人権コース長、解任される
2007年12月11日付 E'temad-e Melli 紙

【社会部:アブドッラー・ハータミーファル】アルダシール・アミール=アルジョマンド博士がシャヒード・ベヘシュティー大学の「ユネスコ人権・平和・民主主義」コースの責任者の地位から解任された。

 この措置は世界人権デーを直前に控え、シャヒード・ベヘシュティー大学学長代行によって取られたものである。

 伝えられた情報によると、この措置はシャヒード・ベヘシュティー大学法学部の教授会メンバーであるアミール=アルジョマンド博士(50歳)が旅行で不在中に取られたもので、彼の後任にはジャアファル・クーシャー博士が選出されたとのことである。この決定により、公民権を専門とする教授であったアミール=アルジョマンド氏は、シャヒード・ベヘシュティー大学人権コースの責任者の地位を退かねばならなくなった。イランにおける人権をテーマとしたコースの創設者・教官である同氏は、約10年間にわたり、国内で最も活発な学術・教育・研究センターとして知られていた同コースで活躍してきた。

 同氏は過去10年間、シャヒード・ベヘシュティー大学人権・平和・民主主義コースにおいて、人権教育に関する正式な課程を修士課程などに立ち上げることに尽力しただけでなく、法学科や社会学科、哲学科、イスラーム法学科、人間科学科などの各学科で公式・非公式に用いられることを目的とした人権に関する教科書の編纂にも携わった。

 アミール=アルジョマンド氏は信頼できる研究者、法律専門家として国際的にも有名な人物だ。彼はストラスブルク大学で国際法の国家博士号を取得している。〔‥‥〕彼は「ユネスコ人権・平和・民主主義」コースをシャヒード・ベヘシュティー大学に立ち上げることに尽力したが、このようなユネスコと連携した人権分野のコースは中東地域では唯一のものである。

 このコースは、人権、平和、民主主義、法哲学、宗教と生命倫理の5つの研究ユニットからからなっており、これまでこれといった騒動に巻き込まれることもなく、社会の発展を目的にさまざまな学術成果を発表してきた。また過去5年間、法学や国際法、人権、民主主義、倫理、哲学、人権の普遍性、その他学際的な問題をテーマに、計70回以上のワークショップ、シンポジウム、全国会議や国際会議を開催してきた。

 さらにこのコースは、「人権世界・地域シリーズ」の編纂や数十もの文献の翻訳、その他の個人の基本的権利や法人類学、世界や地域における人権の擁護に関連した研究プロジェクトの実施など、イランにおける法学関連の文献の出版に寄与してきた。

 その一方で同コースに対しては、人権に否定的な人々からはつねに海外の政治的事件に対する自らの立場の説明が求められ、また人権の擁護者たちからは国内における個人や団体への権利侵害に関する反応を求められてきた。

 同コースの創設者が責任者の位置から外された今、「ユネスコ人権・平和・民主主義」コースが今後どのような方針をとることになるのか、見守る必要があるだろう。

 この二年間、法律関連の専門機関は次々と変化の波を受けてきた。まず「憲法調査・監督委員会」が解散し、その後グーダルズ・エフテハール=ジャフロミー氏が所長を務めていた「国際法律サービス事務所」も、所長の交替に伴い、「大統領府国際法律問題センター」に名称を変更、政策も一新された。

 これまでのところ、シャヒード・ベヘシュティー大学に協力してきたユネスコ研究文化教育機関からは、「人権・平和・民主主義」コースの責任者の変更に関して、これといった反応は出ていない。同コースの正式な活動は、シャヒード・ベヘシュティー大学とユネスコの間で交わされた合意に基づくものであり、同コースの責任者もユネスコの承認の下、基本的権利や人権について学術的な経験を持つ、公民権の分野に秀でた研究者の間から選ばれたという経緯がある。

 アミール=アルジョマンド氏の解任により、このコースがこれからどのような運命を辿るのか、その活動の量や質はどうなるのかは、今後の〔大学当局による〕先の見えない決定や政策にかかっている。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:12647 )