アナポリス会議でパレスチナとイスラエルの最終的地位交渉開始を発表
2007年11月28日付 Al-Nahar 紙
■ ブッシュ大統領がパレスチナ国家樹立に関する交渉開始を発表、レバノンへの「干渉」を拒否
■ 2008年の解決に期待、サウジアラビアはレバノン、シリア両トラックの活性化を呼びかけ
2007年11月28日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
ジョージ・ブッシュ・アメリカ大統領は昨日、アメリカのメリーランド州アナポリスにある海軍兵学校で国際会議を開催し、「中東地域が迎えるこの歴史的瞬間は、パレスチナ・イスラエル間の最終的解決のための交渉を開始するのに実に適切な時である」と強調した。意表を衝いたのは、ブッシュ大統領がパレスチナ・イスラエル相互理解文書を読み上げたことである。文書の中で両者は、2008年末までに和平合意に達することと、12月12日に最終的地位の問題について第1回目の交渉を開始することを約束している。
マフムード・アッバース・パレスチナ大統領とエフード・オルメルト・イスラエル首相は、どちらも以前の立場を譲歩することなく話し合いを行った。アッバース大統領は東エルサレムをパレスチナ国家の首都にすることを求めた。それに対しオルメルト首相は、多くのアラブ諸国の会議出席者の方を向き、「アフラン・ワ・サフラン(歓迎します)」とアラビア語で言った。そして、イスラエルとの「正常化」をアラブ諸国に求めた後、1967年以来のこの地域における状況は顕著な変化を見せるだろうとの確信を表明しつつ、「イスラエルはユダヤ人国家であること」を繰り返し強調した。
アナポリス会議と同時に、ガザ地区やヨルダン川西岸地区のいくつかの都市では、会議を非難するデモが行われた。一部のデモ参加者はアッバース大統領を「裏切り者」と評した。ヨルダン川西岸地区では、アッバース大統領に忠実なパレスチナ警察がデモ参加者と衝突し、ヘブロン市ではデモ参加者1人が死亡した。解任されたイスマーイール・ハニーヤ・パレスチナ首相は、名指しにはしなかったもののシリアがアナポリス会議に出席したことを非難するに到った。一方で、アナポリス国際会議の批判を続けたイラン政府は、同会議に対抗する会議をテヘランで開催することを、パレスチナの反対派各勢力に呼びかけるとともに、射程2000キロメートルのミサイルを製造していることを発表した。
(後略)
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( 翻訳者:青山沙枝 )
( 記事ID:12653 )