エジプト首相、政府の経済改革ビジョンを語る
2007年12月11日付 Al-Ahram 紙

■ 「補助は廃止しない。補助物資が闇市場へ無駄に流されることなく、それを必要としている人の手に渡るよう、最善の策を検討する」
■ 新聞各紙編集長との3時間に及んだ会見でアフマド・ナズィーフ首相:「物価上昇率が6パーセントにまで下がった後も、一連の価格抑制措置を講じる」
■ 「補助の見直しは国民的議論を経て、段階的に、一品目ずつ行っていく」
■ 「政府が国民に解決策を押し付けることはしない。金銭的補助を必要とする人々全てに支給することは可能だ」
■ 「われわれの優先事項は、経済成長率の維持、年金と医療の改革、投資の増大、家計の実質消費率の4パーセント上昇、経済改革の成果による雇用機会の増加、上エジプト地方のインフラ整備と産業開発、天然ガス供給の増加」

2007年12月11日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ウサーマ・サラーヤ記者】

 経済状況、社会的公正の実現、補助支給の適正なメカニズムの充実をめぐる公の場での包括的対話の手始めとして、アフマド・ナズィーフ首相は昨日、国営・民営および政党の新聞各紙編集長と会見し、終日にわたって対話を続けた。

 その中でナズィーフ首相は「エジプトは現在移行期にあり、発展段階にある経済成長が課す様々な課題に直面している。エジプト政府にはビジョンがあり、国民の期待にこたえ、ムバーラク大統領の公約を実行する能力と自信を持っている」と述べた。また、「ムバーラク大統領は新たな挑戦を政府に課した。それは年7パーセントの経済成長率をこれから長期にわたって継続することを第一とする。政府はこの新たな挑戦に対して適切な策を用意している」と説明した。そして「第一の課題は成長率の持続であり、それは健康保険・年金・医療・不動産税の制度改革と、投資環境の改善、問題解決の迅速さを伴う」と述べた。

 続けて、「第二の課題は運輸分野の発展、第三の課題はエネルギー分野の年10パーセント成長の継続、第四の課題は雇用市場に合わせた教育の発展である」と語り、「エジプト経済は順調に推移し、私たちの目標は実現されつつある。私たちは経済改革と実質的な雇用機会増加に成功した。生活レベルでの経済の成功を反映して、今や失業問題は物価問題の背後に後退した。エジプトの家計の実質消費は平均4パーセント上昇し、貯蓄も増えている。これは経済改革の成果を国民が実感し始めたことを意味する」と説明した。

 さらに、「輸出は220億ドル、輸入は380億ドルにまで伸びた。私たちはエジプトが地の利と増加しつつある開発機会とを生かしてこの地域の中核となることを目指している。私たちは現在、上エジプト地方の産業開発を始めようとしているが、それは現地のインフラ整備と天然ガスの供給、輸送の強化を必要とする」と述べた。さらにナズィーフ首相は広範囲に及んだこの対話の中で社会的な事柄にも触れ、「政府は現在、物価問題と社会的公正の実現に集中的に取り組んでいる。この政府の集中的取り組みは、国民の基本的な関心事である教育や公衆衛生などの公共サービスに向けて行われている」と説明した。

(後略)

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( 翻訳者:金田雄一郎 )
( 記事ID:12666 )