第8期国会選挙をめぐる有力者たちのとまどい
2007年12月16日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】政治各派の指導者や有力者たちにとって、第8期国会選挙への立候補を決めるために残された時間は刻一刻と少なくなっている。そのような中、彼らはいまだ出馬を躊躇している状態にある。

 前回の大統領選挙に出馬した政治関係者らの多くが、それぞれ何らかの方法で今回の第8期国会選挙に関わっているが、彼らの発言からは、自らが同選挙に出馬するか否かについてはいまだ決心が付いていない模様だ。

 モフセン・レザーイーは新たに結成された「イスラーム発展公正党」の会合に出席して演説を行い、同党への支持を表明したが、しかし自らが選挙に出馬する意図については否定する発言を行っている。

 アリー・ラーリージャーニーもまた、これまでのところ、第8期国会選挙に立候補する意思を表明してはいないが、しかし彼は講演会や一般的な政治集会に積極的に姿を現しており、純然たる選挙活動の一環であると理解して差し支えないだろう。

 他方、改革派に位置するセイエド・モハンマド・ハータミーの場合は、事情はより複雑だ。彼の側近であるセイエド・モハンマド・アリー・アブタヒーは自らのインターネット・サイトで、ハータミーに選挙に参加するよう促すべく話し合いを続けていることを明らかにしている。アブタヒーは「ハータミーが国会選挙に参加してくれたら!」と述べつつ、同前大統領に対して多数の出馬要請が寄せられているにもかかわらず、ハータミーはいまだ出馬を決めかねているとしている。

 ハータミーはこれまでのところ、第8期国会選挙への出馬を否定しているが、改革派の活動を一つにまとめ上げることを目的に、各派の会議に足繁く出席している。さらに彼は地方各州への訪問を行うなどしており、これらの訪問が選挙目的ではないと考えることは難しいだろう。

 このような中、メフディー・キャッルービーの立場はより明瞭だ。彼は国民信頼党の総書記として、第8期国会選挙に向けて精力的に活動しており、演説や意思表明、地方州への訪問、党の宣伝に余念がない。彼はまた、次回の国会選挙に自らは出馬せず、むしろ次回の第10期大統領選挙にアフマディーネジャードの対抗馬として立候補する意向であることを明言している。

 テヘラン市長のモハンマド・バーゲル・ガーリーバーフも、今回の選挙には独自のあり方で臨んでいる。彼は原理主義統一戦線について閉鎖的であるとして暗に批判し、密室では〔原理主義派の各派を糾合する〕選挙リストの作成は不可能だと述べている。彼は次期国会選挙への参加については多くを語らなかったが、選挙が行われるエスファンド月〔来年2月~3月〕には出揃うことが予想されるさまざまな選挙リストの中の一つに、彼の名前を見つけることができるのではないかと思われる。

 有力者たちのとまどいの背景

 有力な政治関係者が第8期国会選挙への立候補について躊躇している理由を理解するためには、今回の選挙をめぐる状況を考慮に入れることが必要かもしれない。

 第8期国会選挙は重要かつ予想の困難な選挙だ。大方の予想によれば、次期国会選挙は第3期地方議会選挙の結果の延長線上にあり、各政治グループの〔イラン国政における〕位置づけはより明確なものとなるものの、いずれかの党派が絶対的な勝利を手にし、多数派と少数派がはっきりと分かれた現在のような状況にはならないだろうとされる。

 ジャーメ・ジャム紙とのインタビューの中で、第8期国会選挙への出馬は今のところ考えにくいと述べたハサン・ロウハーニーは、「第8期国会の勢力図は、何よりも第5期国会に近いものとなるだろう。すなわち、相対的多数派が強力な少数派と並存するという形になるだろう」との見方を示している。

 建設の奉仕者党のスポークスマンを務めるホセイン・マルアシーもまた、次期国会選挙に関する予想として、次のように述べている。「人間は複雑だ。イラン人はもっと複雑だ。全国の各州から票が集まった場合、どのようになるのか誰にも分からない。しかし原理主義派が〔圧倒的多数を〕占めているような現在の勢力図は長続きするようなものではない。現在の少数派と多数派が逆転するようなことはないにしても、少数派はより強力な少数派になるだろう」。

 大統領選をめぐる疑問

 第8期国会選挙が行われて1年4ヶ月後に、第10期大統領選挙が始まる。第9期大統領選挙での敗北の記憶がいまだ重くのしかかっている一部の人々にとっては、それ独特の複雑さと不透明さを有する第8期国会選挙への参加は、大きな政治的リスクとなっている。

 これらの人々は、第8期国会選挙によって今後の〔イランの政治潮流をめぐる〕見通しがはっきりするのではないかと期待を寄せる。彼らは次期国会選挙の結果に基づき、第10期大統領選挙への出馬の是非を決めることになるだろう。それというのも、もし前回の選挙の結果が次の選挙にも影響を及ぼすという理論が正しいならば、第8期国会選挙の結果は第10期大統領選挙の行方にも影響を与えると考えられるからだ。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12683 )