ディンク氏殺害の容疑者を逮捕―ギュレル・イスタンブル県知事:ディンク氏は護衛を断っていた
2007年01月20日付 Hurriyet 紙
フラント・ディンク氏殺害の容疑者オギュン・サマストがサムスンで逮捕された。エルドアン首相は、オギュン・サマスト逮捕を公式に発表した。
フラント・ディンク氏殺害の容疑者としてトラブゾン出身のオギュン・サマストがサムスンで逮捕された。
写真を公表することで容疑者の情報提供を期待していた警察は、殺害容疑者はトラブゾンの住民オギュン・サマストと断定した。容疑者の写真をテレビで見ていたトラブゾンのアクチャアバトの住民アフメト・サマストは、自分の息子のオギュン・サマストがフラント・ディンク氏殺害容疑者として報道されているのを見て、トラブゾン県警に通報した。
警察はさらに詳しく調べた後、サムスンのバスターミナルからトラブゾンへ向おうとしていたサマスト容疑者を逮捕した。容疑者と共に暗殺に使われた銃器も押収された。
1990年に生まれたトラブゾン出身のサマストは深夜、飛行機でイスタンブルに連行される。
■エルドアンの会見
エルドアン首相は、フラント・ディンク氏殺害の容疑者、オギュン・サマストをサムスンで逮捕したと述べた。首相は公正発展党第8回協議・評価会議が開催されたクズルジャハマム・アスヤ・スパ・センターで、夜遅くにディンク氏殺害に関する会見を行った。
エルドアン首相は、ギュル外相兼副首相、ジェミル・チチェキ法務大臣、アブデュルカーディル・アクス内務大臣と他の党関係者らとともに会見に臨み、ディンク氏殺害の容疑者、オギュン・サマストをサムスンで逮捕したと述べた。
■数人が拘束
トラブゾンのヒュセイン・ヤヴズデミル知事は、ディンク氏殺害の容疑者がトラブゾン出身者であることが確認された後、容疑者と関係がある他の何人かが拘束されたと述べた。
ヤヴズデミル知事は、検挙された者の中には、トラブゾンのマクドナルド爆破に関わった人物もおり、「拘束された者たちは殺害への加担、犯人の隠匿に関し尋問されている」と述べた。また、これらの人物が捜査の一環として、朝、イスタンブルに移送されると話した。
この間、トラブゾン県警の公安部に拘束されている1人が窓のところにあらわれ、「陰謀だ。これはペテンだ!」と叫ぶ様子が見られた。
■写真の公表で早期逮捕
イスタンブルのムアメル・ギュレル知事は、フラント・ディンク氏殺害の容疑者の写真をメディアに配った。ギュレル知事は、市民が容疑者をみかけたら即座に通報するよう求め、市民の注意を呼びかけた。知事の会見と容疑者の写真のメディアでの公表が、ディンク氏殺害の容疑者逮捕をもたらした。
ギュレル知事は、市民に対し連絡先の電話番号とe-mailアドレスを次のように発表した:
0 212 636 29 50 0 212 636 12 53 155@iem.gov.tr
ギュレル知事は、容疑者が写った映像をCDに焼きつけ、メディアに配布したと述べ、「容疑者が逃げるところ、銃器を腰に置いたところの映像を入手しCDに収めています。市民の協力を求めています。他にも情報を確保していますが、今は発表する段階ではありません」と話した。
イスタンブルのギュレル知事は、第二の容疑者がさらに発見されたとの情報について、「第二の容疑者に関する容疑はまだ確認していません。拘束された人物はいません」と述べた。
ムアメル・ギュレル知事は、フラント・ディンク氏から護衛要請が一切なかったと述べ、「実は現在、メディア関係者18人から護衛要請がきています。しかしフラント・ディンク氏からはこのような要請はありませんでした」と話した。
同知事は、「アルメニア系の人々やとアルメニア総主教座にもe-mailによる様々な強迫がありました。アルメニア教会のムタフヤ総主教から県に対し正式に捜査要請があり、それに基づきこれらの強迫を捜査しました。イスタンブル、ブルサ、ヤロヴァで行った捜査の結果、1人を検挙、拘留しました。
10ヶ月の刑です」と語った。
現地の新聞はこちらから
( 翻訳者:富田 祐子 )
( 記事ID:4399 )