ハッジ巡礼前からメッカに滞在中のトルコ人ウムラ巡礼者、帰国難
2007年12月23日付 Zaman 紙

ラマザン月(断食月)にウムラ(*1)巡礼に行ったメッカで、ズーアルヒッジャ月(巡礼月)までそこに留まった巡礼者のトルコへの帰国が困難となっている。

サウジアラビア高官は、こうした巡礼者が陸路で国外に出るのを防ぐために重い制裁を適用した。トルコからのハッジ巡礼者を運んだ大型バスの運転手には、陸路で(ウムラ)巡礼者を連れて行かないように署名が求められた。ハッジ巡礼者用のバスには1万リヤル(およそ30万円)から10万リヤル(およそ300万円)までの罰金が課されうることが示される一方、6ヶ月以上2年未満の禁固刑がかされうることも警告された。

毎年多くのウムラ巡礼者が、ラマザン月を過ごすため訪れたサウジアラビアから離れずに、ハッジ巡礼を行って帰国している。宗務庁によると、様々な警告を行っているサウジアラビア政府は、こうした形でハッジ巡礼を行っている者がいるため、ハッジ巡礼者の人数が増大し、問題を引き起こしているとみているという。宗務庁がウムラ旅行を企画している会社に対し警告を行うことで、この数の減少が見込まれるとしても、完全に防ぐことはできない。

ウムラにいったものの、復路のチケットを焼却してしまうウムラ巡礼者は、巡礼月までメッカに滞在している。彼らはアラファトにハッジ巡礼者を運ぶためにやってきたバスで、トルコに帰国している。彼らがトルコに帰国するさいに使う唯一の手段が陸路であることを知っているサウジ当局は、「不法(ハッジ巡礼ビザを有さない)」巡礼者が国外に出ないよう対策を講じた。サウジアラビアは税関でトルコからのすべてのバスの運転手に対し「不法巡礼者を乗せないよう」署名させた。運転手が署名した文書には、不法巡礼者を乗せたなら高額な罰金刑が適用されること、および車に捜査の手が入ることなどの条項が記載されている。同様の形でウムラを企画する企業にも10万リヤル以上の罰金が適用される。

*1ウムラ:ズーアルヒッジャ月以外にメッカにある聖地を巡礼すること。ズーアルヒッジャ月に行われるハッジ巡礼とは分けて考えられる

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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:12725 )