ハラール食品、国家による認証間近
2007年12月31日付 Milliyet 紙

協議が始まった2005年から現在まで議論の対象となっている「ハラール(イスラーム法に違反しない)食品」規格の商品が、2008年の上四半期から商店の棚に並ぶことになるだろう。


ハラール食品に関するトルコ標準規格研究所(TSE)の基準を準備する取り組みが最終段階を迎えたが、政界から実業界、消費者組合から職業組合に至るまで、この件に関する様々な意見は未だに合意に達していない。
政府は、5千億ドルのハラール食品市場にトルコも必ず入るという見方である。しかし多くの人々が、公共の組織が宗教を主体とした証明書を与えることは政教分離にそぐわないとしている。ハラール食品規格に関して懸念されている問題の回答は以下の通りである。

・ハラール食品規格とは何か?
ハラール規格は2004年にマレーシアで初めて適用された。このシステムでは、イスラーム法に適した食品がどのような特徴を必要とするかが明らかにされている。肉類の屠殺方法から食品の添加物、そして食品が提供される場所に至るまで一連の基準が設けられている。イスラーム法に適した特徴を持つとされた食品にはハラール証明書が与えられる。

・どこの国でこの証明書が発行されているのか?
ハラール規格が適用されているのは、アメリカ合衆国、マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、カンボジア、ヴェトナム、ブラジル、カナダ、アルゼンチン、南アフリカ、イギリス、ドイツ、フランスといった国々である。

・政府はなぜハラール規格の適用を開始させたいのか?
政府は、ハラール規格の適用がイスラーム諸国への輸出を容易にし、トルコがハラール食品市場に参入することを保証するだろうと述べている。しかしハラーム食品(イスラーム法に違反する食品)とハラール食品の判断基準はイスラーム各宗派によって変わること、生産者たちに余分な経済負担をもたらすであろうこと、そして公共の組織がハラームやハラールといった評価を行うことは政教分離論争につながることが、多くの人々が適用に反対する原因となっている。

・証明書はどのような製品に発行されるのか?
証明書は初めに食品に対し発行され、その後食堂や化粧品も証明書付きになることが予想されている。

・証明書の適用はいつ始まるのか?
「宗教規範に適した食品規格」と題される予定の規格に関する取り組みが、来年(2008年)の上四半期に終了することが予測されている。

・証明書を取得することは強制なのか?
証明書は希望制となるだろう。ただし、証明書を持たない企業はイスラームの規範に反した生産を行っているとみなされることが予想されるため、多くの生産者は証明書を取得せざるを得なくなると指摘されている。

・証明書の適用で宗務庁が果たす役割は?
宗務庁は、技術的取り組みにおいてTSEを支援し、証明書の適用と検査の過程ではコンサルタント組織のような役目を果たすことになるだろう。

・ハラール食品においてどのような基準に注意が払われるのだろうか?
食品が、イスラーム規範において禁止されている諸要素が取り除かれている場所において、ふさわしい器具によって加工、輸送、そして保存されていることが必須条件となるだろう。肉類がハラール食品となるには、屠殺を行う者がムスリムであること、屠殺がアッラーの名の下に行われることが必要である。すでに死んでいるか、窒息、強打、高所からの落下によって死んだ、または肉食獣によって殺害された動物、そして豚肉は、イスラームではハラームである。

■「トルコは市場に参入するべき」と国務大臣
キュルシャド・トゥズメン国務大臣は、ハラール食品に関しては無秩序がみられると明らかにし、「この分野での法整備の欠如が、企業に、ある時は宗務庁から、またある時は地方自治体の宗務局からイスラーム法学者の決定書簡を取得するか、あるいはハラール証明書が整備されている国々の関係組織に申請することを余儀なくさせている。トルコは拡大するハラール食品市場に参入すべきである。トルコはイスラーム諸国会議機構(IKT)の壇上でこの件に関する主導権を表明した。IKTの組織で形成され、一般に賛同が得られるようなハラール食品規格を作ることを推奨したのだ。そして賛成を得た」と発言した。

■消費者組合の意見は真っ二つに
ウストゥン・ボル消費者連合長は、この取り組みを支持すると述べ、「製品にはハラールのマークの代わりに、内容物を説明するラベルを貼るべきだ。商売上の不安からこの仕事をする人々もいるだろう」と話した。
取り組みを支援していないと述べるエンギン・バシャラン消費者協会長は、「この適用は人々の間に宗教に由来する新たな差別を生むだろう。トルコでは既に全ての製品に、イスラームで禁止されている豚肉が入っていないという表示がある」と語った。

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( 翻訳者:川原田喜子 )
( 記事ID:12783 )