視覚障害者のためのインターネット図書館 (Radikal紙)
2007年01月08日付 Radikal 紙

「毎日三種類の新聞を買い、雑誌も定期購読していました。これらを読むためには、いつも友達の助けが必要でした。一冊の雑誌を読み終えるまでに、次号が出てしまうという状況でした。」と視覚障害者のハミト・アメルダルオールは述べている。しかし、もう誰の助けも借りずに読むことができる。視覚障害者たちは、インターネット図書館を使っているからである。

6月に視覚障害者たちにとって重要な第一歩がしるされた。ボアズィチ大学の視覚障害者技術教育センター(GETEM)は、トルコ初で唯一の「視覚障害者のためのインターネット図書館」を始めた。ここの資料はすべてがコンピューターか肉声で録音されている。これらは、コンピューターの画面を音声化させるプログラムを使って聞くことができる。そのプログラムは、コンピューターにインストールすることができる。17の日刊紙と約4万冊の音声化された本が貯蔵された図書館を、トルコにいる視覚障害者全員が無料で利用できる。しかし、どこの大学もこのシステムを利用するために動き出そうとしていない。関心を示した自治体の数も片手で数えるほどだ。

■「200以上の自治体が利用してくれたらうれしい」
障害者手帳を持っていれば無料で会員登録できるこのインターネット図書館を、現在多くの視覚障害者が利用している。しかし、このシステムが広く利用されるためには、大学や自治体に協力してもらわなければならない。GETEMのメンバーは、自治体をたずね、システムを説明している。今までに、ペンディッキ、ヤロヴァ、ベシクタシュ、シシュリ、バクルキョイ、ゼイティンブルヌがこのシステムに参加した。視覚障害者たちにこのようなシステムを提供するために各自治体がやるべきことは、何台かのコンピューターを置くための部屋を用意し、コンピューター画面を音声化するプログラムをダウンロードするだけである。ボアズィチ大学障害者委員会委員長フィクレト・アダマン教授は、「トルコで3万の自治体があります。そのうちの200から300に行渡ればいいかなと思っています。」と述べた。

アダマン教授は、大学側が積極的ではないことに批判的。「インターネット図書館のために、高等教育機構(YÖK)に説明の場を設けました。82人の学長に説明しました。みんな我々のところに来て、素晴らしいと賞賛してくれました。『学長のうち3人から電話がかかってきたら、この企画は成功だ』と私は言っていました。しかし、誰からも電話はありませんでした。トルコによくある無関心は、残念ながら、学長たちにも見られました。」

GETEMで働くベッリン・オクタン・ウザンは、「アゼルバイジャン、ドイツ、フランスから会員になる視覚障害者たちがいます。一番若いのは5歳の子からいます。目標は、トルコにいる40万人の視覚障害者がこのシステムに参加することです。」と述べている。

音声化された本の数を増やすために、ボランティアの読み手が必要である。ボランティアをするのは簡単で、GETEMのサイトからコンピューターにダウンロードした録音プログラムとマイクがあればできる。

■「大学卒業後にも希望がある」
ボアズィチ大学歴史学部を卒業した25歳のハミト・アレムダルオールは、「大学を卒業しました。しかし、この後はないのだ。」と言っていたときに、インターネット図書館ができた。今は研究者になるために気合をいれている。インターネット図書館を通して、学生であることを実感していると説明するアレムダルオールは、以下のように述べている。「大学で勉強していても、どこにも自分に合った材料がないのです。このシステムは、すべての大学に広まるべきです。高校時代に読むはずのものを、今読んでいます。図書館にカセットが置いてあります。それをよく借りていました。500ページの本は、15~20本のカセットになります。カセットは、15日で返却しなければならないので、毎日一本ずつカセットを終わらせなければなりません。しかし、インターネット図書館のおかげで時間制限はなくなりました。」



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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:4306 )