ホルモズ海峡事件の真相:ホセイニー報道官「イランとアメリカ双方の船舶は互いの身元を確認しただけ」
2008年01月09日付 Jam-e Jam 紙
【政治部】月曜日夜、イランの船舶5隻が米艦船3隻と対峙したとの報道が、突如として世界の、特に西側ならびにアラブ・メディアでトップ・ニュースとして報じられた。
当初、この問題に関する報道は混乱したものだった。例えば、アル・アラビーヤ放送はCNNの報道を引用する形で、イラン革命防衛隊が米海軍の艦船3隻をホルモズ海峡で拿捕したと伝えた。アル・アラビーヤは別の報道の中で、《米船舶に攻撃》との見出しで、イラン・米両者間の挑発的・示威的行為として、革命防衛隊の船舶が米船舶に接近したと報じた。またロイター通信もこの事件を《苛立たしい行動》であると指摘した。
このような混乱は、事件が発生した時間に関する報道にも及んだ。APは事件が月曜日未明に発生したと報じ、オスカー・ニューズやAFPは土曜日の夜にホルモズ海峡で発生したのものだと指摘した。新華社はペンタゴンの将校らの発言を引用する形で、革命防衛隊所属の5隻の船舶がこのような行動に出たのは週末であったと伝え、APは別の報道の中で、事件の発生は日曜日の夜明け頃であるとした。
ところで、これはどんな事件だったのだろうか。イランの巡視船数隻が通常の手順に従って、米艦船数隻がホルモズ海峡を通過する際に、同艦船に接近し自らの身元を明かすよう要請、彼らの身元が判明次第、引き返して巡視活動を続けた、というのが事の真相である。
イランとオマーン両国間で結ばれた合意によれば、両国はホルモズ海峡、及び同重要海域を航行する、米船舶をはじめとするさまざまな船舶に対して監視活動を行うことになっており、アメリカが《挑発的な行動》とするこのような出来事は、実際は通常のルーティンに過ぎず、これまでも起きていたことなのである。ところが米当局、中でもロバート・ゲイツ国防長官やコンドリーザ・ライス国務長官はことさら騒ぎ立て、イランの通常の行動を《挑発的》であるとし、さらには《もっとも深刻な挑発行為》とまで言い出しているのである。
彼らはイラン側の船舶が米艦船に接近し、脅迫的なメッセージを送り、正体不明の箱を海中に投げ入れたと主張している。
これに対してホセイニー外務報道官は、イランの船舶と米艦船の間で一部挑発的なやりとりがなされたとの米当局及びメディアの一部の発表は、何らかの悪意に基づくものであるとの見方を示している。同報道官は次のように指摘する。「これまでも、双方の船舶が互いの身元を確認するための行動を取ってきた。今回もまた、イラン側船舶が3隻の米艦船の身元を確認しただけであり、通常の手順を踏んだものであった」。
革命防衛隊海軍のある消息筋もファールス通信とのインタビューの中で次のように強調している。「ホルモズ海峡の公海の場において、革命防衛隊の巡視部隊と米艦船の間で通常とは異なる衝突が起きたことはない」。
〔後略〕
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12845 )