2008年度予算案における矛盾
2008年01月09日付 E'temad-e Melli 紙
大統領は昨日、簡略であると同時に複雑な、明瞭であると同時に柔軟な、そして緊縮的であると同時に今年度に比べて17%増の予算案を国会に提出し、同予算案の矛盾点すべてを自らの演説の中で披露した。
アフマディーネジャード大統領はその中で、国会議員らに対し予算案の明瞭さを損なうことのないよう要請した。大統領はそれより前、読み書き能力のできるイラン人なら誰でも、その本質について理解できるような予算案になっていると述べていたが、昨日も同予算案について「簡略な予算案」であると評していた。実際、来年度予算案は2400ページからなる今年度予算案から、600ページに縮小されている。
〔中略〕
しかし、大統領が「明瞭である」とする来年度予算案の中身はというと、予算案立案の新たな方法が提起された当初より、多くの曖昧な点が存在していた。アフマディーネジャード大統領は予算案を提出した際、すでにさまざまな反応を引き起こしていたある問題、すなわち予算案に対する閣僚らの裁量権について、次のように述べている。「大統領及び閣僚らの意志の外部にある機関が、国会の場で〔国会審議に介入して〕予算を獲得するようなことがあってはならない。そのような機関は、政府の政策と国会の決定を〔忠実に〕実行すべきである。名指しはしないが、今もこの瞬間、誰かが予算をかすめ取っている。これは〔国会で正式に〕承認された政策に、まさに反する行為である」。
アフマディーネジャード大統領はさらに、これらの機関は予算の重要な部分を自らへと横流ししていると指摘、その上で「この部分について、誰が説明責任を負うのか。誰が政策の推進責任者なのか〔‥‥〕」と問いかけた。
大統領はまた、来年度予算案について緊縮的であるとしたが、その一方で同予算案は今年度予算に比べて17%の歳出増となっており、アフマディーネジャード政権が作成した最初の予算案〔2006年度予算案〕に比べると30%以上の歳出増となっている。なお、ハータミー政権最後の予算案〔2005年度予算案〕と比べると、その数字は40%以上となる。84年度から86年年度〔2005年度から2007年度〕までの各年度の予算規模はそれぞれ、158兆トマーン〔約18兆円〕,191兆トマーン〔約22兆円〕、231兆トマーン〔約27兆円〕となっている。
アフマディーネジャード大統領によると、来年度の国の一般予算は71兆5000億トマーン〔約8兆5000億円〕、公営企業の予算は203兆トマーン〔約24兆円〕であり、予算額が増大した主な要因は、開発予算が30%増加したからだという。
〔後略〕
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12874 )