インフレ率、17%を超す:中央銀行総裁が発表
2008年01月10日付 E'temad-e Melli 紙

 インフレ率が17%を超え、インフレ抑制へ向けた政府の統制計画全体に大きな影を落としている。第9期アフマディーネジャード政権の経済財政相はインフレ抑制へ向けた決意を語っているが、しかしインフレ率はこの1ヶ月間で0.4ポイント上昇している。スローガンを叫んだだけでは、発表された計画とは裏腹に過去数ヶ月間にわたり上昇を続けているインフレを止めることはできないということが、再び露呈された格好だ。

 インフレ率が17.2%になったとの発表が中央銀行総裁から出される一方、政府は87年度〔2008年度〕予算案の最重要項目として、「インフレ率の低下」と「石油収入の公正な分配」を掲げている。大統領府計画・戦略監督局のアリー・アスガリー経済担当次官によると、87年度予算案ではインフレ率は15.6%と予測されているとのことだが、その一方で年度の終盤を迎えている現在、インフレ率は上昇基調にあり、タフマーソブ・マザーヘリー中央銀行総裁によれば、86年アーザル月〔2007年11月22日〜〕に至る12ヶ月間のインフレ率は〔前月比で〕0.4%上昇して17.2%に達しており、来年度インフレ率を抑制するとの政権の公約が実現される見通しは立っていない。

 第9期政権は過去2年間、インフレ率の抑制を目的として、国会に対して予算の緊縮政策を提起してきたが、しかしその一方で予算規模は拡大しており、政府の政策には別の側面も見え隠れしている。現在国の通貨供給量はこれまで以上に増大しており、インフレ率の抑制を困難なものにしている。

 昨日の閣議に出席した中央銀行総裁は記者団に対し、銀行による融資の支払い停止について、「銀行による融資の支払いが停止された事実はない。〔ただし〕国民の利益のために、中央銀行から他の銀行への資金の支払いが停止されている〔ことは事実である〕」と述べている。

 マザーヘリー総裁は、銀行は〔融資を必要としている人に〕何故きちんと融資が行われていないのか、との記者からの質問に対して、「それは正確ではない。融資は行われている。このことについての図表を、近く中央銀行のインターネットサイトに掲載する予定だ」と答えた。

〔中略〕

 中央銀行は他行への資金の支払いを停止することで、国の現在の通貨供給量を抑えることを狙っているようだ。しかし、政府が今週国会に提出した1387年度〔2008年度〕予算案の規模が約17%増大したことを考えるならば、この政策は前向きな結果をもたらさないように思われる。というのも、我が国に流通する通貨供給量の大半を、毎年倍増を続ける開発プロジェクト関連予算が占めているからだ。我が国で行われている銀行による融資について細かく検討する前に、政府が提出した予算案のパフォーマンスについて検討を行い、真に緊縮的な性格の予算案の構築に傾注すべきであろう。そうすることで、国の通貨供給量を抑え、結果としてインフレの進行を抑制することができるのである。

 過去二年間、第9期政権によって繰り返し唱えられてきたにもかかわらず、緊縮的で実践的な予算の構築は真剣に考慮されてこなかった。このことが、インフレ率の上昇をもたらしてきた。インフレは国の通貨供給量の増加により、日々その脅威を増しており、現在の流れが続くならば、来年にはインフレ率の上昇は想像を絶するものとなるに違いない。実際多くの経済専門家は、実際のインフレ率は今や20%を超えていると主張しているのだ。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12875 )