中東訪問中のブッシュ大統領、重要演説でイラン批判をエスカレート
2008年01月14日付 Al-Ahram 紙

■ ブッシュ大統領:「アメリカには盟友を守る義務がある」
■ 「イランの脅威に対抗するよう世界を結集させる」
■ 「自由と公正を享受し、過激派を排除した中東で安定は実現する」

2008年01月14日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【アブダビ、諸通信社】

 アメリカのジョージ・ブッシュ大統領は昨日、イラン批判をエスカレートさせ、イランは世界で最も危険なテロ支援国家だと述べた。

 今回の中東歴訪における最も重要な演説でブッシュ大統領は、「イランは世界各地で過激派やテロリストに資金援助をしており、その資金によってレバノンの和平を妨げ、アフガニスタンのターリバーンやイラクのシーア派武装組織に武器を提供し、パレスチナのハマースを支援している」と述べ、「イラン政府は隣国を威嚇し、国連に挑戦し、核計画に関する情報開示を拒絶することで地域の安定を脅かしている」と続けた。

 そして「アメリカ政府は湾岸の同盟国との長期的な安全保障の約束を履行し、手遅れになる前に『イランの脅威』に対抗すべく世界を結集させる」と強調した。また「民主主義と自由の拡散はブッシュ政権の外交政策の核心だ」と述べ、合衆国の安全保障のためにそれが必要であると強調した。

 さらに「自由と公正を享受し、過激派を排した中東の実現によってのみ、安定は訪れる」として、社会の文化・宗教に影響を受けることなく民主主義へと転換した第二次世界大戦後の日本を例に挙げた。

 またブッシュ大統領はイラクの民主化を賞賛し、テロリストや過激派が国家を掌握することはないだろうと強調、パレスチナ人に対しても、国家樹立宣言という夢が実現されるためには過激派を拒絶するよう呼びかけ、「アラブとイスラエルとの和平こそ、イスラエル政府にとって最も好ましい安全保障とみなされる」と述べた。

 さらにアラブ世界の民主化努力を賞賛したブッシュ大統領は、アラブの同盟国に対し、開かれた政治と経済の採択を促した。ブッシュ大統領は今回の中東訪問の湾岸地域では4番目、全体としては5番目の滞在地となるリヤドへ本日向かい、その後エジプトを訪問する予定。

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( 翻訳者:鳥居洋介 )
( 記事ID:12899 )