ライス長官のイラク訪問
2008年01月16日付 al-Sabah al-Jadid 紙
■ バグダードのライス、イラク首脳、バルザーニーらと会見
■ さらなる国民和解努力、遅れている法案の制定を呼びかける
2008年01月16日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面
【バグダード:本紙】
ブッシュ米大統領の中東歴訪に随行していたライス国務長官は、大統領の指示により急遽サウジ訪問を切り上げてイラクを訪れ、マーリキー首相の後、タラバーニー大統領、バルザーニー・クルド自治区大統領らとも短い会談を行った。
AFPによれば、昨日火曜バグダードに到着したライス長官の目的は、政治和解をさらに進め新たな改革法案の制定を行うようイラク首脳らを促す事であった。長官は、到着後すぐにマーリキー首相と会談を行っている。
2時間に渡る会談の後首相府が出した声明は、次のように述べている。
「新生イラクにおける民主主義、自由、公正、法の支配、そして国民和解の礎を築くべく、政府は真摯に努めている。」
「我々の外交政策は、国民和解、国民の目標と調和している。我々は合衆国はじめ全世界の国々とより良い関係を築く事を望んでおり、、政治経済面での信頼回復、国際社会との協力を目指し、前政権による誤った政治の影響を根絶すべく努力している。」
声明によればライス長官は、「合衆国のイラク政府に対する支持を改めて述べ、治安回復、国民福祉、主権の維持、法の適用等を実現しようという努力を評価した」。
リヤドでの記者会見で報道官が述べたところによれば、ブッシュ大統領とライス長官は、(今次の中東訪問が)イラク首脳らと会見し、これまでの成果を生かした更なる政治和解、法案の議決を進めるよう奨励するのに良い機会だとみなして、長官のイラク訪問を決定した。
クウェイト通信によれば、ライス長官は、タラバーニー大統領、バルザーニー自治区大統領と共に、辞任した閣僚の復帰問題等の他に、キルクークの地位に関わる憲法第140条問題、石油契約を巡る危機など自治区政府とイラク政府間の軋轢について協議した。
マーリキー首相との会談では、イラク政治情勢全般を協議したほか、駐イラク多国籍軍の中に16万いる米兵の内3万が引き上げる可能性に触れた。
イラク首脳らと会談後の記者会見でライス長官は、「ひと月前の最後の訪問以来、政治面、特にイラクの人々が成し遂げつつある和解において進展が見られたと言うべき」、「過激派、テロリスト、外国人戦闘員等と闘うという人々の決意は楽観的見通しの徴であり、首脳らと会見し、国家という地平を共に歩もうという連帯感を感じた」等述べた。
フーシュヤール・ズィーバーリー外相は記者団に、国の内外で、政治、治安情勢で肯定的な展開があり、時期的に重要な訪問であったとして、次のように述べた。
「我々は、地域における政治、外交情勢を話し合った。エジプトの外相会議に参加し、共にヨルダン、クウェイトを訪れ、それらの国々でも我々の立場に肯定的な徴があった。」
「幾つかの法の制定により実現された成果を更に伸ばすべきであり、石油ガス法等、国民和解に貢献できる他の法律を制定する良い機会である。」
また、ワシントンとの合意があるのかとの質問に答え、「アラブ諸国に対し公明正大に言うが、秘密の要素はない。率直に、我々はまだ少しの間支援が必要であり、合衆国が戦略的同盟国であるだけだ。幾つかのアラブ諸国は同様の合意を合衆国と結んでいることからして、我々が新奇な事をしているわけではない」と述べた。
イラク国会議長マフムード・アル=マシュハダーニーは、バグダードでルービン・ジェフリー米国務省経済問題担当次官と新石油ガス法の承認を可及的速やかに行う重要性について話し合った。
サターフィールド米国務省上級顧問、クロッカー駐イラク米大使が同席した会談では、他の問題と共に国民和解に関わる法案で土曜日(12日)に国会で承認されたものについて協議が行われた。
アラビア放送は、「テロ問題に真剣であったのと同じく、ワシントンは国民和解を強く求める」とのライスの言葉を放映した。
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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:12906 )