エジプト外相「国境の壁破壊とガザ住民のエジプト流入を招いたのはイスラエルの責任」
2008年01月27日付 Al-Ahram 紙

■ エジプト、ガザ地区における状況悪化の責任はイスラエルにあるとして、パレスチナ人民への支援を明言
■ アブルゲイト外相、ムバーラク大統領が招集した危機協議の後に:「ハマース、パレスチナ自治政府、EU、イスラエルと協力して早急に国境を掌握する措置をとる」
■ パレスチナ側からの挑発により治安部隊に38名の負傷者が出ているものの、エジプト側は自制を守る

2008年01月27日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 エジプトはパレスチナ人民を支援し、その苦難を取り除くという立場を確認すると共に、ガザ地区における状況悪化の責任はイスラエルにあるとした。それと同時にいくつかのパレスチナ人集団がエジプトの治安部隊を挑発し、覆面グループによって高位の将校二人を含む複数の治安要員が負傷させられたというような彼らの行動については、容認できないとしてこれを非難した。しかしながらこうした挑発はエジプトの自制を失わせることはなく、ハマースやパレスチナ自治政府、さらにはEUやイスラエルとも協力して、国境を再び掌握するため早急な措置を講ずることになる。

 ホスニー・ムバーラク大統領は昨朝、エジプト-ガザ国境問題、ガザ地区における治安と生活状況の悪化、イスラエルによるガザ地区侵攻の結果などを議論するために会合を開き、首相、国防相、内務相、外相、情報相ならびに複数の政府高官が出席した。

 この会合後にアフマド・アブルゲイト外相は、「状況悪化の責任はイスラエルにあるとエジプトはみなしており、ガザ地区へのあらゆる食料の搬入と、国際社会から任じられている電力と燃料の供給、ガザ地区とエジプト間の交易の継続をイスラエルに対して要求する」と語り、ガザ地区住民を受け入れ、彼らの生活の便宜を図るという、数日前に下した決定をエジプトは堅持すると公表した。

 同時にアブルゲイト外相は、ここ二日の間にいくつかのパレスチナ人集団が行なった挑発行為は受け入れがたいと明言した。そうした挑発行為によってエジプト治安部隊に12名、国境警備隊に約26名、高位の将校2名の負傷者が生じている。負傷者のうち数名は重体で、快復しない可能性もある。

 アブルゲイト外相は、「エジプトはハマースとパレスチナ自治政府の指導部にそれぞれ緊急にカイロを訪問し、目下の諸問題を協議すると共に、ハマースが昨年6月にガザ地区を支配するまで実施されていたのと同じ手順に従って国境を再び掌握する件について協議するよう呼びかけていく」と語り、「エジプトは国境管理を目的に締結されたこれまでの諸合意に則り、ラファハ通行所における責任を逃れようとするイスラエルの試みを見過ごさない」と明言した。

 続けて外相は、「パレスチナ人民に対する敵対行為をエスカレートさせ、数十万人ものパレスチナ人を壁の破壊とエジプト側への流入に向かわせたのはイスラエルだ」と語り、「今日カイロで開催されるアラブ外相会議では、事態の責任をイスラエルに負わせることとなるだろう」と述べて、エジプト国境は不可侵であるということに全体の理解が得られるだろうとの信頼を表明した。

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( 翻訳者:新谷美央 )
( 記事ID:13075 )