エジプトはガザ地区をシナイ半島に併合するアイデアを認めず
2008年02月04日付 Al-Ahram 紙

■ 「エジプトはラファハ通行所事件の再発を許さない」「国境の保全は国の義務」
■ ムバーラク大統領、国境問題を話し合うべく閣議を召集
■ アウワード報道官:「2005年に調印されたラファハ通行所運行の取り決めにエジプト政府は関与していなかった」
■ 「ガザ地区をシナイ半島の拡張地とするアイデアは形式的にも内容的にも受け入れ難い」
■ 「事件の背景にあるのは封鎖だ。パレスチナ人の苦難がこれ以上続くことは許されない」
■ 「エジプトの連絡協議が成功するかどうかは各方面の姿勢次第」

2008年02月04日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 エジプトはラファハ通行所で生じた事態の再発を許さない姿勢を明確にし、「エジプトには固有の境界線、領土、主権があり、それらを保全するのは国の権利であり義務であり責任である」とのメッセージを、最近エジプトを訪問したハマース使節団に伝えた。

 ガザ地区との国境問題を協議するために、ホスニー・ムバーラク大統領が昨日招集した縮小閣議の後、スライマーン・アウワード大統領府報道官は、「エジプトほどパレスチナ人のために犠牲を捧げた国はない」と強調しつつ、「エジプトはガザ住民の人道的困難を考慮し、またイスラエルの封鎖への直接的な反応として生じた事態と理解して、彼らの集団侵入に目をつぶった」と述べた。

 同報道官はまた、「ラファハ通行所の運営手順について2005年11月にパレスチナ自治政府とイスラエルとEUと米国との間で調印が行われた際、エジプトはこれに当事者として関与していなかった。エジプトの国境線は明確であり、通行所の運行と国境線の変更はまったく結びつかないし、ムバーラク大統領もそれを拒絶している。もしもこの通行所の運営手順を見直したいと思うのであれば、前述の4者、中でもパレスチナ自治政府内で話し合われるべきだ。ハマースと政権との分裂こそが今の事態を招いたのだから」との考えを明らかにした。

 また、ガザ地区をシナイ半島の拡張地(extension)にするとのアイデア〔訳注:ガザ地区のエジプトへの事実上の併合〕が取りざたされている件に答えてアウワード報道官は、「ムバーラク大統領は、イタリアのラ・レップブリカ紙への談話で、そうした話は形式的にも内容的にも、大枠においても詳細においても受け入れがたいと明言している」と述べた。

 (後略)

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( 翻訳者:小林洋子 )
( 記事ID:13109 )