原理主義派の選挙リスト、確定
2008年02月05日付 E'temad-e Melli 紙

【アーザーデ・モハンマド・ホセイン】昨日バフマン月15日〔2月4日〕は、原理主義統一戦線が〔テヘラン選挙区の〕立候補者30名の最終的なリストを発表する最終期限にあたる日だった。日曜日の夜、6プラス5グループが会合を開き、最終的な人選について、特に先に決定されていた23名に追加すべき7名を誰にするのかをめぐって、明朝まで意見交換が行われたのも、恐らくこのためだろう〔※訳注1〕。このような中、改革派諸派は依然として、立候補資格の認定をめぐって奔走していた。

 原理主義派の今回の会合に関して伝えられたところによると、同派を構成する三派(「奉仕の芳香」、「イマームと最高指導者の路線の支持者」、及び「変化を求める原理主義者」・「イスラーム革命献身者協会」)の代表者たちははじめ、原理主義者14名を選び出し、この中から30名からなるテヘラン選挙区の残りの候補者7名を最終的に選ぶことで合意したという。

 この会合の結果については、昨日予想される選挙リストが原理主義統一戦線の情報筋のことばを伝える形で、ファールス通信のサイトに掲載、〔原理主義統一戦線が推薦する〕第8期国会選挙テヘラン選挙区の立候補者30名が紹介された。この30名からなるリストに追加された7名は、以下の通り。アリー・サマリー、メフディー・クーチェクザーデ〔現職国会議員〕、パルヴィーズ・サルヴァリー〔現国会文化委員会の委員長〕、エリヤース・ナーデラーンアサドッラー・バーダームチヤーン、アリー・レザー・マランディー〔ラフサンジャーニー政権下で保健相を務めた人物〕、アリー・アッバースプール〔現国会教育学術委員会の委員長〕。

 注目すべき点は、このリストの中に原理主義統一戦線を構成する小グループのシェアが無視されていることである。これは、6プラス5グループの指導者たちが主張していたこととはまったく反対の結果となったことを示している。彼らは残りの7名を主要三派以外のグループに割り当てる決定を下していたが、これは実現されなかったようだ。

 こうして30名からなる選挙リストが締め切られたことで、アリー・ラーリージャーニー、モフセン・レザーイー、そしてモハンマド・バーゲル・ガーリーバーフを中心とした原理主義包括連合、原理主義女性党評議会、及びその他の原理主義者の小グループは、別個のリストで選挙戦に入ることが確実になった模様である。

 6プラス5グループの指導者たちはラーリージャーニー=ガーリーバーフ=レザーイー三人組のグループと数回にわたって協議を重ね、「よい相互理解・合意が得られた」と強調してきたが、「原理主義包括連合」から原理主義統一戦線の候補者リストに場所を得たのは、ミールモハンマディー〔ゴム選出の現職国会議員〕とオミードヴァール・レザーイー〔マスジェデ・ソレイマーン選出の現職国会議員〕の二名だけであるとの情報も伝えられている。〔※訳注2〕

 今回の選挙リストの公表が、今後原理主義者らの間に多くの反響を呼ぶことは確実だ。原理主義派のグループ内の対立が高まることも予想される。テヘラン市議会の議員で「アーバードギャラーン協会」に属するハサン・バヤーディー氏は、次のように言う。「もしこのようなリストが〔作られたということが〕正しいとすれば、その人物が原理主義的か否かというような決められた基準の代わりに、仲間であるか否かが〔選挙リストの作成の際に〕重視されているということを意味しよう。実際、一部の原理主義派の有力人物から、原理主義統一戦線の選挙リストに関連して批判の声が上がっており、それは正しい批判だ」。

 原理主義派に属するバヤーディー氏は、このリストに関して賛同できるのは、よくてその50%程度であるとした上で、今回のリストは第3期市議会選挙の時と同じことを繰り返していると語る。同氏は、原理主義統一戦線はラーリージャーニーやガーリーバーフ、レザーイーの各氏の意見をもっと尊重すべきだと述べ、さらに同戦線に属する「奉仕の芳香」のメンバーについて、「各地で、原理主義派の得票や人々の関心を削ぎかねないような動きが、《奉仕の芳香》に属している一部の人物にみられる」と指摘する。

 「ティール月3日〔※2005年6月24日の第9期大統領選挙の日を指す〕の選挙運動では活発な活動をしていなかったにもかかわらず、〔最近になって〕アフマディーネジャード大統領派を自認し、ある組織の名の下に〔※「奉仕の芳香」を指すものと思われる〕、原理主義運動に悪影響を及ぼすような動きを見せている者がいる」。バヤーディー氏はこのように続ける。

〔中略〕

 テヘラン選挙区での原理主義派の予想立候補者リスト

 ある情報筋はファールス通信とのインタビューの中で、原理主義派のリストは現在最終段階にあるとして、リストに掲載が予想される氏名を以下のように公表した。ゴラーム・アリー・ハッダード=アーデル〔国会議長、3〕、アリー・ラーリージャーニー、アフマド・タヴァッコリー〔国会調査センター所長、3〕、セイエド・レザー・アクラミー〔2〕、ルーホッラー・ホセイニヤーン〔革命文書センターの所長、1〕、モルタザー・アーガーテフラーニー〔ウラマー、アフマディーネジャード政権の「倫理の教師」とされ、『時のイマームに会うための実践的方法』なる著書を執筆したこともある。1〕、セイエド・レザー・タガヴィー〔第5期国会で文化委員会の委員長を務めた人物、当時報道や出版の自由化を推し進めていたモハージェラーニー元文化イスラーム指導相に対する弾劾動議の急先鋒に立った人物の一人、2〕、アボルハサン・ナッヴァーブ〔2〕、アリー・レザー・ザーカーニー〔3〕、ホセイン・フェダーイー〔イスラーム革命献身者協会事務局長、3〕、ザフレ・エラーヒヤーン〔3〕、モハンマド・レザー・バーホナル〔2、技術者イスラーム協会の総書記、国会副議長〕、シャハーボッディーン・サドル〔2〕、ラーレ・エフテハーリー〔2〕、ファーテメ・ラフバル〔2〕、ゴラーム・レザー・メスバーヒー=モガッダム〔2〕、アリー・アスガル・ザーレイー〔国際エネルギー研究所の所長、1〕、モハンマド・コウサリー〔1〕、アリー・モタッハリー〔1〕、サファーイー女史〔1〕、ファーテメ・アーリヤー〔1〕、ビージャン・ノウバーヴェ〔著名なテレビ・レポーター。イラン・イラク戦争の最前線の様子を現場から伝え、化学兵器によって負傷したこともある。現イラン国営放送局長。1〕、ナスリーン・ソルターンハーフ〔1〕、アリー・レザー・マランディー、エリヤース・ナーデラーン、アリー・アッバースプール、アリー・サマリー、パルヴィーズ・サルヴァリー、メフディー・クーチェクザーデ、アサドッラー・バーダームチヤーン。〔※訳注3〕




訳注1:エッテマーデ・メッリー紙は2月2日付2面で、原理主義統一戦線がすでに、テヘラン選挙区から自派が推薦する30名の立候補者のうち23名を決定したと報じていた。その中で、同紙はこのリストからアフマディーネジャード派の「奉仕の芳香」から9名、「イマームと最高指導者の路線の支持者」から8名、「変化を求める原理主義者」及び「イスラーム革命献身者協会」から5名が選ばれており、同戦線がアフマディーネジャード派を中心とした原理主義グループであること、同戦線から前国家安全保障最高評議会書記のラーリージャーニー、現テヘラン市長のガーリーバーフ、元革命防衛隊総司令官で公益判別評議会書記のレザーイーの三人組に連なる原理主義グループが排除されていること、そしてその他バーダームチヤーンといった保守派老舗政党イスラーム連合党の幹部や原理主義派現職国会議員の多くの名前が見られないことなどを指摘していた。

訳注2:インターネット・サイト「アフバーレ・ルーズ」が2月4日の記事として伝えたところによると、ラーリージャーニー=ガーリーバーフ=レザーイーのグループが作成した選挙リストに名を連ねた候補者は以下の通り。ただし、同サイトによると、このリストは確定されたものではないとしている。

1.アリー・ラーリージャーニー
2.アリー・レザー・マランディー
3.モハンマド・ホシュチェフレ
4.アミール・アリー・アミーリー
5.オミードヴァール・レザーイー
6.レザー・タラーイーニーク
7.モハンマド・シャリーアトマダーリー
8.ホッジャトルエスラーム・ナーセヒー
9.ホセイン・モザッファル
10.サイード・アブーターレブ
11.マフムード・モハンマディー
12.ハミード・レザー・カートウズィヤーン
13.ショジャーイー・キヤーサリー
14.アリー・アッバースプール
15.キャンアーニー・モガッダム
16.セイエド・マフムード・ドアーイー
17.ファルハード・ラフバル
18.アリー・レザー・マフジューブ
19.マジード・アンサーリー
20.セイエド・モハンマド・ミールモハンマディー
21.マルズィーイェ・ヴァヒード=ダストジェルディー
22.エルハーム・アミーンザーデ
23.ソヘイラー・ジェロウダールザーデ
24.アミール・レザー・ハーデム
25.ファーテメ・キャッルービー
26.ナフィーセ・ファイヤーズバフシュ
27.サイード・サーデギー
28.アーガー・アミーリー
29.シェイホルエスラーム
30.アリー・モタッハリー

以上から、「原理主義統一戦線」と「ラーリージャーニー派」のリストで共通しているのは、マランディー、アッバースプール、モタッハリーの3名である模様。また「ラーリージャーニー派」の選挙リストで目に付くのは、アンサーリーやジェロウダールザーデ、ファーテメ・キャッルービーといった、いわゆる「改革派」に属する人物もいることである。

訳注3:〔〕内の数字は、原理主義統一戦線を構成する党派のどれに属しているか(1:「奉仕の芳香」、2:「イマームと最高指導者の路線の支持者」、3:「変化を求める原理主義者」及び「イスラーム革命献身者協会」、4:イスラーム連合党、数字のないものは不明)を示している。2月2日付エッテマーデ・メッリー紙2面に掲載された記事に基づく。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:13121 )