「イスラエルはガザを世界第三の人道問題にした」と国連事務次長が非難
2008年02月28日付 Al-Ahram 紙

■ 国連:「イスラエルはガザを世界第三の人道問題にした」
■ ガザ地区への攻撃でパレスチナ人11人死傷
■ ハマースのロケット弾でイスラエル人1人が死亡

2008年02月28日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ニューヨーク:ターリク・ファトヒー、ガザ:アシュラフ・アブルホウル、諸通信社】

国連はガザ地区封鎖政策を理由にイスラエルを最大限に批判し、今の危機が続けばガザ地区の人道状況が悪化することになり、進行中のイスラエル-パレスチナ間和平会談に支障をきたすだろうと警告した。

ジョン・ホームズ国連人権問題担当事務次長は、イスラエルを強い語調で攻撃し、ガザ地区をダルフール地域とコンゴ共和国に次ぐ世界で3番目に深刻な人道問題にしたと非難した。安全保障理事会月例会議での中東に関する過熱した議論の最中、同氏は「イスラエルの封鎖政策がガザ地区の農業と工業の崩壊、失業率の増加、貧困の増加につながった」と強調し、ハマースに対してはイスラエルへのロケット攻撃を直ちに停止するよう呼びかけた。

一方、ロバート・セリー国連中東和平プロセス調整官は、「パレスチナの一般市民は、政治プロセスの効果をあまり信頼していない。和平プロセスは支援に値するが、ヨルダン川西岸地区とガザ地区で実際に変化をもたらさないなら、続かないだろう」と発言し、安保理に提出したレポートで、「分離壁の存在、入植地の拡大、検問所、封鎖政策、継続する軍事侵攻は、経済生活と社会組織全般にわたって住民全体に深刻な影響を与えている」と記した。

イスラエルのダン・ギラーマン国連大使は直ちに「イスラエルの対ガザ地区政策は、完全に国際法に一致している」と主張し、「パレスチナ人がロケット攻撃を停止すれば、ガザ地区の状況は瞬時に変化するだろう」と発言した。

治安面ではイスラエル軍がパレスチナ人10名を殺害、内5名はハマースの軍事部門「カッサーム軍団」のメンバーで、残りはジハード運動の軍事部門「クドゥス旅団」のメンバーだった。また、昨朝と一昨晩にイスラエルが行ったガザ地区への空襲で、1名が重傷を負った。

一方、ガザ地区から発射されたロケット攻撃の結果、昨日、イスラエル南部でイスラエル人1名が死亡した。これは、過去9ヶ月間におけるパレスチナとの対立での初のイスラエル人死者となる。イスラエル軍はロケット弾30発が昨日イスラエル南部に発射されたと公表し、ハマースがその実行声明を出した。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:13279 )