中央銀行総裁、インフレの進行に再度懸念を表明
2008年02月24日付 E'temad-e Melli 紙
インフレは今やすでに、イラン経済にとって悪性の腫瘍となっており、政権関係者ですらインフレ進行への懸念を包み隠すことができないほどになっている。一部閣僚ですら現在のインフレはイラン経済にとって危険領域にあると言及しているとの話も、最近になって様々なところから伝わっている。
昨日中央銀行総裁は再度、現在のインフレは国民経済に害をもたらすとの見方を示した。同総裁は、国の通貨システムを管理する立場に就いてからというもの、政権関係者の多くとは異なった分析を示しており、これまで幾度となく、国の経済にあまり好ましくないものであるとして通貨供給量とインフレの拡大に言及してきた。専門家らによれば、マザーヘリー中央銀行総裁は自由放任的な国の経済を統制することを目的に、政権の各所に中道的な原理派グループを配置しているという。
昨日マザーヘリー中央銀行総裁は再度、インフレの進行に対して警告を発し、さらに国会調査センターもインフレ指標に対して危機感をあらわにしている。これより前にも、護憲評議会が87年度〔2008年度〕予算法案を承認する数時間前、アリー・アクバル・ハーシェミー=ラフサンジャーニー公益判別評議会議長が護憲評議会書記宛に書簡を出し、同予算法案は石油関連の支出が多く、インフレを悪化させる可能性があるとして〔予算法案の承認に待ったをかけ〕、最終的に国会の承認によって流動支出及び石油関連項目の拡大を志向する政府の方針に制限が加えられた、という出来事が起きている。これは、公益判別評議会がイラン経済に対して抑制を加えるために政策介入をした、恐らく二度目の出来事であろう。
政府が発表した統計によれば、インフレ率はすでに20%に達しており、専門家らは実際のインフレ率〔※原文には「ユーロ」とあったが、誤記と判断した〕は現在30%をうかがう勢いだとしている。
もちろん、これは問題のほんの一部でしかない。石油関連支出が拡大された87年度予算では開発計画に割り当てられた予算が65%上昇、経済専門家らは、きわめて激しいインフレが来年度の経済を襲うと懸念している。このような展望から、公益判別評議会が今後、国の経済の統制の任にあたるのではないかと予測することも可能だろう。経済はこの二年間秩序を欠いており、石油収入に依拠した路線を進んできたように思われる。
〔後略〕
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:13281 )