選挙リストの作成、大詰めを迎える
2008年03月03日付 Jam-e Jam 紙

原理派・改革派の二つの党派による、「原理派統一戦線」、「原理派包括連合」、「改革派連合」、「国民信頼党」の4つが国会選挙を争う主要リストとなる見込み

【政治部】護憲評議会はエスファンド月13日〔3月3日〕に、第8期国会選挙の〔資格審査を合格した〕立候補者の最終的な氏名を内務省に通知すると発表、翌14日〔3月4日〕に内務省より公表される予定となっている。そのような中、政治各派は第8期国会選挙で自派が推す候補者リストの最終的な作成段階に入っている。

 それによると、改革派と呼ばれる党派からは「国民信頼党」と「改革派連合」の二つが、原理派と呼ばれる党派からは「原理派統一戦線」と「原理派包括連合」の二つが、各派推薦の候補者らを掲載したリストの提示を始めている。

 もちろん、これ以外にも一部の党派からも、周辺的な立場から選挙リストが発表されており、これを看過することはできない。しかしこれらのリストには、原理派・改革派の主要リストに掲載された候補者らの氏名も含まれていることが多い。

原理派統一戦線のリスト、完成間近!

 このような中、原理派統一戦線実行担当書記のシャハーボッディーン・サドル氏はジャーメ・ジャム紙に、「同戦線の最終的なリストは火曜日にもマスコミに発表される予定だ」と語った。

 同氏はさらに、「もちろん、全ての原理主義者・関係者らとの話し合いが今も続けられており、原理派陣営には良好な関係が支配している」と続ける。

 最新のニュースによると、原理派統一戦線の現在の〔テヘラン選挙区の〕リストは、次のような人物からなっているという。
1.ゴラーム・アリー・ハッダード=アーデル〔第7期国会議長〕
2.アフマド・タヴァッコリー〔国会調査センター所長〕
3.ホセイン・フェダーイー〔イスラーム革命献身者協会事務局長〕
4.アリー・レザー・ザーカーニー〔「変化を求める原理主義者」の指導者〕
5.ハミード・レザー・カートウズィヤーン〔第7期国会鉱工業委員会副委員長〕
6.モハンマド・コウサリー〔元軍事司令官〕
7.ゴラーム・ホセイン・ナジャーバト〔石油化学公社総裁〕
8.エリヤース・ナーデラーン〔第7期国会の原理派有力議員の一人〕
9.パルヴィーズ・サルヴァリー〔第7期国会文化委員会の委員長〕
10.シャハーボッディーン・サドル〔イスラーム医師会の会長〕
11.ザフレ・エラーヒヤーン〔イスラーム革命献身者協会女性委員会書記〕
12.セイエド・レザー・アクラミー〔闘う宗教指導者協会中央評議会委員〕
13.ルーホッラー・ホセイニヤーン〔イスラーム革命文書センター所長〕
14.ゴラーム・レザー・メスバーヒー=モガッダム〔第7期国会経済委員会委員〕
15.モハンマド・レザー・バーホナル〔第7期国会副議長〕
16.ラーレ・エフテハーリー〔第7期国会文化委員会委員〕
17.ファーテメ・ラフバル〔イスラーム連合党中央評議会委員、第7期国会文化委員会副委員長〕
18.モルタザー・アーガーテフラーニー〔アフマディーネジャード政権の「倫理の教師」とされ、『時のイマームに会うための実践的方法』なる著書を執筆したこともあるウラマー〕
19.アリー・モタッハリー〔イスラーム革命のイデオローグであったモルタザー・モタッハリーの息子、テヘラン大学神学部の教師〕
20.〔テイベ・〕サファーイー女史〔大統領府女性家族問題センター副所長〕
21.ファーテメ・アーリヤー〔第7期国会女性会派の会長〕
22.ビージャン・ノウバーヴェ〔元テレビ・レポーター、イラン・イラク戦争の従軍記者〕
23.ナスリーン・ソルターンハーフ〔元女性家族問題センター所長、大統領顧問〕
24.アリー・レザー・マランディー〔ラフサンジャーニー政権での元保健相〕
25.アリー・アスガル・ザーレイー〔元国際エネルギー問題研究所所長〕
26.アリー・アッバースプール〔第7期国会教育・学術委員会委員長〕
27.メフディー・クーチェクザーデ〔第7期国会議員、アフマディーネジャード大統領への熱烈な支持と、大統領反対派に対して「捨て子」「私生児」と罵倒するなどの問題発言で有名〕
28.アサドッラー・バーダームチヤーン〔イスラーム連合党代表代行〕
29.アリー・サマリー〔大統領文化問題顧問、ホッジャトルエスラーム〕
30.ハサン・ガフーリーファルド〔第7期国会議員、文化革命最高評議会委員〕

 ホセイン・フェダーイー献身者協会事務局長はファールス通信に対し、「アボル・ハサン・ナッヴァーブ〔宗教研究センター所長〕に代わり、ハサン・ガフーリーファルドが原理派統一戦線の選挙リストに加わることになった」とし、さらにゴラーム・アリー・ハッダード=アーデル国会議長が同戦線のリストのトップを飾る予定だと述べた。フェダーイー氏によると、ハッダード=アーデル氏がリストのトップを飾ることについて、原理派統一戦線は合意に達しているという。

原理派包括連合、20名の候補者を発表

 原理派包括連合のリストに名を連ねるエルハーム・アミーンザーデ氏は、同連合に参加する候補者たちの氏名の公表について、「包括連合のリスト作成においては、包括的であることと多様であること〔原理派に属するさまざまな候補者らを包括していること〕が厳密に考慮されるよう、努力がなされている」と語る。

 同氏は本紙記者に対し、さらに「候補者の選定に正確を期すことで、〔包括連合が提示する〕リストに対する人々の好感も得られるはずだと、われわれは考えている」と強調する。

 アミーンザーデ氏はまた、包括連合が提示する候補者リストには、原理派統一戦線と一部重複が存在するとして、次のように述べた。「われわれはこのリストに掲載された人物が統一戦線のリストと重複することに関して、問題視してはいない。われわれの目的はその他の原理派と対立することではないからだ。むしろわれわれは、より柔軟にリストの作成にあたるべきだと考えている」。

 原理派包括連合のリストに掲載された候補者は、これまで20名が確定している。詳細は以下の通り。
1.レザー・タラーイーニーク〔新党「イラン・イスラーム発展公正党」の総書記。同党はモフセン・レザーイー公益判別評議会書記に近いとされる。第7期国会議員〕
2.アーデル・アーザル〔「イラン・イスラーム発展公正党」大会書記、第7期国会予算委員会委員〕
3.セイエド・モハンマド・ミール=モハンマディー〔第7期国会の有力議員の一人〕
4.アミール・レザー・ハーデム〔イラン・ナショナル・チームの元レスリング代表、第7期国会文化委員会委員〕
5.モハンマド・コウサリー
6.ハミード・レザー・カートウズィヤーン
7.アリー・アッバースプール
8.エルハーム・アミーンザーデ〔第7期国会国家安全保障外交委員会委員〕
9.ナフィーセ・ファイヤーズバフシュ〔著名な革命の闘士で殉教者モハンマド・アリー・ファイヤーズバフシュの妹。第7期国会議員〕
10.ホセイン・モザッファル〔イラン国営放送監督評議会議長、第7期国会教育・学術委員会委員〕
11.マフムード・モハンマディー〔第7期国会国家安全保障外交委員会委員〕
12.ハサン・ガフーリーファルド
13.セイエド・アリー・リヤーズ〔第7期国会憲法第90条委員会副委員長〕
14.アミール・アリー・アミーリー〔「イラン・イスラーム発展公正党」総書記代行〕
15.ホセイン・シェイホルエスラーム〔元駐シリア・イラン大使〕
16.モハンマド・ホシュチェフレ〔第7期国会経済委員会委員〕
17.サイード・アブーターレブ〔ドキュメンタリー映像の制作者。2003年、イラクでドキュメンタリー作品を撮影中に米軍に逮捕、4ヶ月間拘禁された経験を持つ。第7期国会議員〕
18.ゴラーム・アリー・ハッダード=アーデル
19.ゴラーム・レザー・メスバーヒー=モガッダム
20.アフマド・タヴァッコリー

 なお、原理派包括連合のテヘラン選挙区用候補者リストの残り10名については、後日明らかになる予定である。

改革派連合の候補者リスト

 改革派連合のテヘラン本部長を務めるホセイン・マルアシー〔ハータミー時代の元副大統領。ラフサンジャーニーの妻のいとこ〕は、23名からなる改革派連合のテヘラン選挙区用リストが最終的に決まったと明かした。同氏によると、詳細な議論の後、当初用意されていた18名のリストに数名が追加されて、23名の候補者からなる第8期国会選挙の候補者リストが生まれたという。

 イラン学生通信の報道によると、改革派連合のスポークスマンを務めるアブドッラー・ナーセリー氏はイマーム・ホメイニーの孫であるアリー・エシュラーギー氏が出馬を辞退したことを受けて、以下の候補者らからなる選挙リストを発表した。
・マジード・アンサーリー〔第6期国会の予算委員長、ハータミー時代の国会担当副大統領、闘う宗教指導者会議の有力者〕
・エスハーグ・ジャハーンギーリー〔ハータミー時代の鉱工業相〕
・レザー・アムロッラーヒー〔元イラン原子力庁長官、「建設の奉仕者党」中央評議会委員〕
・セイエド・マフムード・ドアーイー〔夕刊紙「エッテラーアート」の発行責任者、過去6期国会議員を務める。ホッジャトルエスラーム〕
・アリー・レザー・ラヒーミー〔少年バスィージとしてイラン・イラク戦争に従軍。イラク軍の捕虜としてAFPの女性記者のインタビューを受けた時、「ヘジャーブをかぶれ」と記者をたしなめた映像が、繰り返しテレビで放映されて有名に。捕虜になってなおもイスラームの価値を守ろうとするイラン人兵士の鑑として祭り上げられた人物〕
・アサドッラー・キヤーンエルスィー〔国民信頼党、元国会議員、ホッジャトルエスラーム〕
・モハンマド・サドル〔ハータミー時代の外務次官〕
・ナジャフ・ゴリー・ハビービー〔元アッラーメ・タバータバーイー大学学長〕
・ソヘイラー・ジェロウダールザーデ〔第7期国会議員、労働イスラーム党〕
・ナルゲス・キャリーミー
・ファーテメ・トンドグーヤーン〔後に立候補を辞退〕
・エラーへ・ラーストグー
・モハンマド・アシュラフィー=エスファハーニー
・アリー・レザー・マフジューブ〔労働イスラーム党〕
・ジャヴァード・アターアト〔国民信頼党中央評議会委員〕
・ハサン・ハリールアーバーディー
・セイエド・カーメル・タガヴィーネジャード〔国民信頼党中央評議会委員〕
・エリヤース・ハズラティー〔国民信頼党中央評議会委員、日刊紙「エッテマード」の発行責任者〕
・モハンマド・ゴンミー〔国民信頼党中央評議会委員〕
・アボル・ファズル・ショクーリー〔国民信頼党中央評議会委員〕
・エスマーイール・ゲラーミー=モガッダム〔国民信頼党中央評議会委員〕
・ファラフナーズ・ミーナーイープール
・アジャーイェビー

 ファールス通信の報道によると、このうち改革派連合本部の委員を務めるレザー・アムロッラーヒーは立候補を辞退したとのことである。レザー・アムロッラーヒーは「建設の奉仕者党」〔ラフサンジャーニー大統領時代に重用された元テクノクラートからなる政党〕の推薦候補者として、第8期国会選挙の改革派連合の候補者リストに参加していた。同氏の選挙立候補資格は認められていた。改革派連合のスポークスマンを務めるアブドッラー・ナーセリー氏は、改革派連合の候補者リストを発表する際、同氏の名前に言及していた。

国民信頼党の候補者リスト

 他方、国民信頼党のスポークスマンを務めるエスマーイール・ゲラーミー=モガッダム氏は、同党の候補者リストは本日の朝、最終的に決まる予定だと述べた。「承認が得られれば、30名からなる国民信頼党の候補者リストに加わる予定の8名の候補者が発表されるだろう」。同氏は本紙記者に、「現在国民信頼党からは、22名の候補者リストが確定されている」と述べていた。

 同氏によると、国民信頼党のテヘラン選挙区用の候補者リストは以下の通り。
1.ラスール・モンタジャブニヤー
2.エスハーグ・ジャハーンギーリー
3.ファーテメ・キャッルービー
4.マスウード・ソルターニーファル
5.アボル・ファズル・ショクーリー
6.ジャヴァード・アターアト
7.エスマーイール・ゲラーミー=モガッダム
8.エリヤース・ハズラティー
9.ヴァヒード・マフムーディー
10.エブラーヒーム・アスガルザーデ〔元テヘラン市議、米大使館占拠事件を起こした学生指導者の一人〕
11.モハンマド・ゴンミー
12.アサドッラー・キヤーンエルスィー
13.マジード・アンサーリー
14.アアザム・サガティー
15.ナジメ・グーダルズィー
16.セイエド・カーメル・タガヴィーネジャード
17.モハンマド・レザー・ラーフチャマニー
18.ホセイン・アーベディー=ジャアファリー
19.アリー・レザー・ラヒーミー
20.レザー・タラーイーニーク
21.アフタル・デラフシャンデ
22.メフディー・ラスールパナーフ

 国民信頼党のリストには、その他の一部リストと重複する候補者が含まれている。中でも、原理派包括連合のリストに掲載されているレザー・タラーイーニークの名前が国民信頼党のリストにもみられる。また、エスマーイール・ゲラーミー=モガッダム、モハンマド・ゴンミー、セイエド・カーメル・タガヴィーネジャード、ジャヴァード・アターアトらの名前も、改革派連合と共通している。

 同様に、原理派統一戦線と原理派包括連合のリストの間にも、ゴラーム・アリー・ハッダード=アーデルなど、重複する人物が見受けられる。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:13292 )