選挙戦、始まる:各派の選挙スローガン出そろう
2008年03月06日付 E'temad-e Melli 紙

【アーザーデ・モハンマド・ホセイン】エスファンド月24日〔3月14日〕の選挙当日へ向けたカウントダウンが始まった。立候補資格が認められた候補者の最後の名簿が発表され、第8期国会選挙に参加する各政党や個人の宣伝用の旗が扉や壁を飾り始めている。選挙用の宣伝が繰り広げられる中、各党は対立するライバル政党だけでなく、考え方を同じくする仲間の政党よりも、少しでも目立とうと自ら姿を国民に懸命にアピールしている。

 宣伝用の垂れ幕やプラカード、看板、そして絵などにはそれぞれ何らかの形でスローガンが書き添えられており、選挙に参加する各党・各派は通りを歩く歩行者に向けて、自らの主張をもっとも明快な方法で訴えかけようと苦心している。

 今回の選挙では、有名な詩や歌詞の一節をスローガンに利用している党派もあれば、また〔ホメイニーなどの指導者が発した〕政治発言を引用している党派もある。そのような中で国民信頼党は、「イランがなければ私の体もない〔※〕。イマームの道を継続し、国民の信頼とともに改革を継続しよう」のスローガンとともに選挙戦に臨んでいる。同党の選挙用の宣伝ではこのスローガンに加えて、「われわれは国民が投じた票に従う。国民が投じた票に依拠する」とのイマーム・ホメイニーの発言が引用されていることも注目される。
〔※訳注:偉大な「国民叙事詩人」として知られるフェルドウスィーの『王書』からの引用。このスローガンは2006年のサッカー・ワールドカップでのイラン・ナショナルチームのスローガンとしても用いられている。〕

 「改革派連合」という名で選挙戦の舞台に臨んでいる別の改革派グループも、宣伝用の短い垂れ幕を作成し、建物の柱や木々に短い間隔で結わえ付けている。改革派連合が選んだスローガンはこれだ。「親愛なる諸君、共に歩もう。我らが共通の痛みを別々に治すことなど、決してできはしないのだから」。

 宣伝用の多くの垂れ幕や看板は国民に対して、直接的・間接的にエスファンド月24日〔3月14日〕の選挙への参加を呼びかけるものとなっている。しかし今回の選挙では、これまでの選挙とまったく異なった点がある。それは、候補者が大きめのサイズのポスターやカラー写真を作成することが禁止となったということである。このため、これからは〔所属グループを示す〕マークや選挙用のスローガンなどが、人々の注目を集めることになると予想されている。

 他の政治各派に先駆けて通りに選挙用の看板を設置したイスラーム革命献身者協会は、そのデザインとしてイランの国旗と国会の図柄を利用し、その上部に「選挙は神が命じた一つの義務である」とのイマーム・ホメイニーのお言葉を書き込んでいる。同協会はさらに、「力強く、有能で、人民のための国会」と書かれた巨大な垂れ幕も用意している。

 原理派統一戦線もまた、自らが用意した選挙用の看板の上部に、「恐れるな、努力こそ解決の方法なり」と記し、さらに続けて「痛みを知る有能な国会、国民の力、穏健、進歩」のスローガンを掲げている。

 他方、「労働者の家」は労働者の老人の姿を現した巨大な絵を掲げ、大きな文字で「すべては労働者のため」とのスローガンを記している。「イスラーム革命に忠誠を誓う人々の協会」もまた、宣伝用のデザインとしてイラン国旗と最高指導者が描かれた絵、そして巨大なイラン地図を利用し、「イスラームの正義、国民の団結、そして人間として尊厳」とのスローガンを中央に挿入、さらにその上部には「選挙への参加は一つの義務である」とのイマーム・ホメイニーのお言葉と、「選挙は人民主権の象徴である」とのお言葉を掲げている。

 イスラーム連合党は宣伝用に青地の看板を用意し、その一番上に「おお、第8代イマームよ」とのことばを掲げた上で、その下に「エスファンド月24日は皆ともに」と記し、中央には大きめの文字で次のようなタイトルが書き込まれている。「良く選挙し、良く生活しよう。人々の問題を解決する国会を」。

 さて、市内に宣伝用の看板を設置した政治グループの一つに、〔原理派統一戦線に対抗する形で結成され、同戦線との妥協が実現されたと一部で報じられた〕原理派包括連合がある。この政治グループはイラン国旗や国会議事堂の絵、さらに革命初期の頃のデモ行進の写真を看板デザインの背景に利用し、隅の部分に蝶の写真を配して、「あなた方は自らを、人民の支配者などと考えてはならない。あなた方は自らを、人民の奉仕者と考えるべし」とのイラン・イスラーム共和国創建者〔=ホメイニー〕のお言葉を掲げている。またこの看板の別の部分には「国民、国会、教育者」そして「第8期国会、国民の運命を決める国会」とのスローガンも見受けられる。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:13316 )