ミヤーンカ-レ国際湿地帯、三分割に?
2008年02月26日付 E'temad-e Melli 紙
【モジェガーン・ジャムシード】ミヤーンカーレ国際湿地帯(訳注)中心部への道路建設工事の中止命令がベフシャフル検察によって出されてから5ヶ月と経たぬうち、湿地帯に道路を建設しようとする試みが再び始まった。国会選挙が近づくにつれ、候補者と現職議員の湿地帯内道路実現という公約にも拍車が掛かっている。
ミヤーンカーレ国際湿地帯内への道路建設は今年シャフリーヴァル月下旬(西暦9月中旬)、トラック200台分以上の土が湿地帯に下ろされ、一部のベフシャフル市議会議員によって始められたが、その数日後、環境庁総局による提訴を受け、ベフシャフル検察の命令で中止された。
マーザンダラーン環境庁総局はこの後、市議会議員3名を検察庁に訴えたが、今日までのところ結論は出ていない。
マーザンダラーンからの報道によると、環境庁の市議会提訴の一件は審理の段階でトラブルに突き当たった。というのも、道路建設によって湿地帯が破壊されるとの環境庁側の主張を調査するにあたって司法機関が助けを依頼したのが、開発工学が専門の司法省のとある正規専門職員で、この措置が、州環境庁の抗議を招いたからだ。現在、調査は司法省の正規専門職員3名からなる委員会に委ねられているが、これがまた3名とも開発分野の専門家なのだ!
環境庁湿地帯事務所のマスウード・バーゲルザーデ=キャリーミー上級専門員はこれについて本紙エッテマーデ・メッリーに次のように述べた。「道路建設が予定されている場所は、革命前は陸の一部だったが、海水の上昇に伴い、60年代(西暦1981年~)、この地域一帯が水没した。現在ここは湿地帯の一部で、しかもミヤーンカーレで最も安全な地域である『安全5分の1ゾーン』に属し、湿地帯の中でも毎年フラミンゴやペリカンが最も多く舞い降りる地域である。よって、計画通りにミヤーンカーレ半島内を通る道路を建設することは、湿地帯を三分するだけでなく、鳥たちの安全と平穏をも奪い、猟師たちを野生生物の避難場所の奥地にまで立ち入らせることになるだろう。」
(後略)
(訳注)ミヤーンカーレ国際湿地帯:マーザンダラーン州のカスピ海南東部に位置するミヤーンカーレ半島の一部。ラームサル会議にて国際的に重要な湿地帯リストに一番目に登録された湿地帯。
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( 翻訳者:弘原海みどり )
( 記事ID:13333 )