イスラーム諸国首脳会議、新憲章を採択
2008年03月15日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ ダカールで開催されたイスラーム諸国会議機構(OIC)首脳会議、新憲章を採択
■ レバノン問題解決のためのアラブ諸国提案への支持を表明
■ デンマークに風刺画に対する非難を訴える
■ パレスチナ人に対するイスラエルの攻撃を非難

2008年03月15日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ダカール:ハサン・アル=ファキーフ、AFP】

 ダカールで金曜日に閉会したイスラーム諸国首脳会議は、同機構(OIC)の新しい憲章案を採択し、閉会声明の中で、ガザ地区に対するイスラエルの攻撃と預言者ムハンマド(彼に神の祈りと平安あれ)を冒涜する風刺画の公開を非難し、レバノン危機解決のためのアラブ諸国提案を支持した。

 身元を明かさぬよう求めた参加代表団の高官筋は、AFP通信社に対して「イスラーム諸国会議機構の新しい憲章は、サミット閉会前の数時間に行われた集中的な協議を経て、現存する障害が克服された後に、採択された」と語った。しかし、同筋はそれ以上詳しいことは述べなかった。

 加盟の基準、民族自決権、議決の仕組みの全会一致から投票による多数決への変更といった新憲章の一部の条項や、新しい憲章の批准手段および期限をめぐっては意見が対立した。

 これに先立って、新憲章案について合意が成立しない場合には6月のウガンダにおける次回のイスラーム諸国外相会議に持ち越されることが示されていた。

 一方、イスラーム諸国首脳会談は、AFP通信社が写しを入手した閉会声明案の中で、パレスチナ民衆に対して激化するイスラエルの軍事作戦を非難した。イスラエル占領軍はこの軍事作戦で、パレスチナ民衆に対して重大な人権侵害や戦争犯罪を繰り返している。

 同声明は国際社会に対して、イスラエルが封鎖を解除して国境通行所を開放し、ガザ地区のパレスチナ民衆に対する封鎖と集団懲罰を直ちに終わらせるよう圧力を加えることを呼びかけた。また、国際社会および中東和平4者委員会に対して、現在の政治的・人道的危機に対処し、和平プロセスを支援してパレスチナ・イスラエルの二者間交渉を再開させるため直ちに努力するよう呼びかけた。

 また各国首脳はパレスチナの各政治勢力の間で対立が続いていることについて懸念を表明し、国民和解の実現に向けたパレスチナ人の国民対話の重要性を強調した。

 また声明では、パレスチナ人民の合法的かつ唯一の代表機関たるパレスチナ解放機構(PLO)およびマフムード・アッバース大統領率いるパレスチナ自治政府、民主的に選出された全てのパレスチナの機関を支持する立場があらためて表明された。

 レバノン問題については、首脳会議は問題解決に向けたアラブ諸国提案に支持を表明し、予定の期日に次期大統領を選出するとともに、ラフィーク・アル=ハリーリー元首相暗殺の犯人を裁く国際法廷の設置を急ぐよう呼びかけた。

 声明案では、レバノンの危機解決のためのアラブ諸国提案への支持が表明され、予定された期日に諸勢力の合意に基づく候補者を選出して挙国一致政府樹立のための基本合意を可能な限り早い時期に成立させ、レバノン大統領の不在に起因する影響とレバノンの分裂を防ぐよう、政治指導者らに訴えている。

 また、国連安保理が国際的性格を有する法廷の設置を承認したことを受けて、ラフィーク・アル=ハリーリー元首相らの暗殺の真相を究明するために法廷を設置するのに必要な手続きを完了するよう呼びかけている。

 イラクに関して首脳会議は声明案の中で、全ての加盟国に対して、在イラク大使館を再開し、OIC事務所をバグダードに開く手続きを急ぐよう呼びかけた。

 また、セネガルの首都で木曜日に開会された首脳会議の参加者らは、デンマークの新聞多数が預言者ムハンマドを冒涜する風刺画を再び掲載したことを強く非難し、「これは明らかに、イスラーム教徒13億人以上にとって最も神聖な象徴への冒涜し軽視することによって、表現の自由を乱用する行為である」と述べた。

(後略)

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:13420 )