ブルガリア訪問したエルドアン首相、人種差別主義グループにより抗議受ける
2008年03月28日付 Radikal 紙

ブルガリアに支持基盤をもつナショナリスト政党、ATAKAがねつ造したスキャンダル、そして「アルメニア人ジェノサイド」承認の動きが、エルドアン首相のバルカン半島訪問に影を落とした。

ソフィア市議会による4月24日を「アルメニア人ジェノサイド」追悼日と認める提案の多数決は、ブルガリア外務省の介入により行われなかった。しかしながらATAKA党の議員は、首相官邸に押し入り、エルドアン首相の記者会見を中止に追い込んだ。ボスニアとアルバニアに続き、2日間の訪問のためにソフィア入りしたエルドアン首相の訪問は、ATAKA党が国会承認を得られなかった「ジェノサイド」法案を、ソフィア市議会に承認させる目論みにより緊張の中で始まった。

エルドアン首相は、ブルガリアのセルゲイ・スタニシェフ首相に公式式典で出迎えられ、無名戦士記念碑に花輪をたむける一方で、ATAKA党の議員は広場に続く通りでデモを行った。警察は、トルコに対し否定的なシュプレヒコールをあげる人たちが広場に足を踏み入れないよう妨げた。

■ATAKA党首:釈明を求める

2人の首相が会談を始めようとしたとき、ATAKA党のヴォレン・シデロフ党首が6人の議員とともに首相官邸に押し入った。そして議員達は記者会見が行われる予定の広間に入り、仲間の拘留を抗議した。シデロフ党首は「デモ活動のために法的許可をとりました。それなのに我々の仲間は妨害された。私たちは釈明を求めるために来ました」と述べた。
さらに同党首は、トラキアから移住したブルガリア人の財産、1915年の事件などの問題についてはエルドアン首相に、またデモに関してはスタニシェフ首相に質問すると述べた。さらにはトルコ系企業によってアルダ川に建設されるダム・プロジェクトの中止を求めた。
これに対して二人の首相は、記者会見用の広間に下りず、記者会見は中止とされた。

労働協議会議に移動したエルドアン首相は、「記者会見は会談が長引いたため取り止めとしました。マスコミへの説明は、夕方にすることにしました」と説明し、夕方ソフィアにある軍の施設で行われた。ATAKA議員は今日(28日)のエルドアン首相のクルジャアリ訪問時にも抗議活動の実施を呼びかけた。
ATAKA党は声明の中で、トルコ人が多く住むクルジャアリへのエルドアン首相の訪問は、「民族的な緊張をあおる」と主張した。ブルガリア内務省は、クルジャアリでの警備体制を最高レベルに引き上げた。

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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:13459 )