コラム:チェイニー副大統領の歴訪は、戦争のための訪問
2008年03月24日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ チェイニー副大統領、和平ではなく戦争への旅

2008年03月24日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】

 アメリカのディック・チェイニー副大統領は、米政府がイスラエルに対して、安全保障上の利益と相容れないような妥協をするよう圧力をかけることはないと強調した。これは予期しなかったことではない。しかし思いがけなかったのは、チェイニーが今回の歴訪で訪れたアラブ諸国で歓迎を受けたことであった。特にサウジアラビア指導部からは、同国の最高の懸章を授与されている。

 チェイニーのイスラエルとの親交はよく知られており、政治家としての、また職業上の経歴の全てをイスラエルへの奉仕と、同国の国益や安全保障のために捧げ、殆どがイスラエル支持者のユダヤ人である新保守主義者グループの指導者として活動してきた。彼らはイスラエルに奉仕し、中東の核大国としてのイスラエルの地位を確立し、同胞であるアラブ国家を破壊して少なくとも100万人以上の人々を殺害、500万人を追放するために、イラクやアフガニスタンでのアメリカの戦争を背後から画策してきたし、現在もなお画策しつづけている。果たしてこれらの業績が、報いるに値するものなのだろうか。

 チェイニーはイスラーム教徒を嫌っており、そのなかでも特にアラブ人を嫌っている。また、アラブ諸国の指導者を軽蔑しており、なかでも産油国の指導者を軽蔑している。アメリカの有名なジャーナリストであるボブ・ウッドワードの著書、特にブッシュ大統領の戦争やブッシュ家とサウジ王家との関係に関する著書を読めば、その事実を確証する多くの情報を見出すことができる。

 今回のチェイニーの中東訪問は戦争への宣伝を行うための訪問であり、和平努力とは何の関係もない。公開されている部分は秘密の部分とは全く異なっている。記者会見で彼が発表する談話は、密室で行われたアラブ諸国指導者との会談の内容とは全く食い違っているのだ。

 チェイニーは、イランやシリア、ヒズブッラー、占領地のパレスチナ抵抗諸組織との来るべき戦争に備え、それぞれの能力や位置に応じて同盟諸国に役割を分担させるためにやって来たのだ。だから彼は、訪問する諸国をきわめて慎重に選択したのだ。ジョージ・ブッシュ大統領が2ヶ月前の中東歴訪に際して外したオマーンをチェイニーが訪問し、サウジアラビア王国に立ち寄り、イスラエルのエフード・オルメルト首相と長時間にわたって会談し、人々の目をごまかすためにラーマッラーに少しだけ滞在した後、トルコ訪問をもって歴訪を終えたことは、偶然ではないのだ。

(後略)

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( 翻訳者:小林洋子 )
( 記事ID:13468 )